中国、都市部人口の伸び率が鈍化、28年ぶりに1000万人を割り込む

2023/02/16 15:38

「中国統計年鑑2022」によると、2022年末、都市部(中国語で「城鎮」)の常住人口は9億2071万人に達し2021年から646万人増加したものの、増加率は42年ぶりの低水準となった。

2001年から2009年のうち、2008年は世界金融危機の影響により都市部人口の増加率が低下したものの1770万人に達した。また、この期間に都市部の人口は2億764万人増加し、1980年代に比べて1億人近く増えた。

2010年から2019年には、新型工業化、情報化、農業近代化や農村戸籍(農業戸籍)から都市戸籍(非農業戸籍)への転換政策の実施により、都市部の人口は急速に増加した。2010年から2018年にかけて、都市部の人口は毎年2000万人以上増加し、増加率の少なかった2019年でも1993万人に達した。この期間で、都市部の人口は2億3914万人増加し、史上稀に見るスピードで都市化が進んだ。

しかし2020年以降、都市部の人口増加率は年々低下しており、2020年は前年比199万人減、2021年は前年比589万人減となった。2022年には前年より646万人増加したものの、1000万人を割り込み、2019年の3分の1以下となった。

都市部人口の伸びが鈍化した背景には、新型コロナウイルスの影響により、都市部の労働者が農村へ戻ったこと。また都市化率の上昇が続く中、現在都市部の人口が中国全体の3分の2に迫っていることから、都市部への人口流入が減少したことが挙げられる。

(中国経済新聞)