国美零售、債務の69.5億円を株式化

2023/01/5 18:15

500億元(約9486億円)以上の負債を抱えた中国の家電量販チェーン大手の「国美零售」が、様々な形を通じて負担軽減に努めている。

国美零售は1月2日夜、未納となっている広告料およそ4.16億香港ドル(約69.5億円)の支払先である寰亜国際資本が、債務額と引き換えに国美零售が新規発行した40.63億株を0.1023香港ドル/株(約1.71円/株)で購入すると発表した。実現すれば寰亜国際資本は国美零售の株式10.21%を所有することになる。

いわゆる債務の株式化であり、債務者が負債分を会社の株に変え、債権者が投資家となるわけである。

国美零售の2022年中間決算によると、負債総額は585.68億元(約1.11兆円)で、うち1年以内に返還すべき銀行などの借入金が229億元(約4347億円)、決算期末時点における現金および現金同等物は24.09億元(約457億円)、期中の営業活動キャッシュフローは5535万元(約10.5億円)となっている。業界関係者によると、国美零售は現在、銀行や信託会社など計20社へ債務を抱えているという。

国美零售は負担を軽減すべく、債権主と交渉するなど様々な策で債務削減に努めているほか、創業者である黄光裕氏がネットのライブ配信に登場するなど「自助努力」も果たしている。

また国美零售は2022年12月30日、国美管理から1.3億香港ドル(約21.7億円)の無利息無担保融資を受けることで合意したと発表した。期間は6か月以内だが延長可能という。天眼査APPによると、国美管理は黄氏の全額出資による会社であり、このような形での国美零售への融資はここ1か月余りで4回目であって、2022年12月30日現在の融資提供額は計6.3億香港ドル(約105.4億円)となっている。

(中国経済新聞)