新興自動車メーカーの威馬(WMモーター)、13億円の資産凍結命令下される

2022/12/29 19:39

中国で、新エネ車の新勢力としてトップグループにも位置していた威馬汽車(WMモーター)がピンチに立たされている。

安吉智行物流が威馬新能源汽車銷售(上海)と威馬汽車の2社を相手取り、合計資産7652万元(約14.6億円)の凍結を求めて訴訟を起こしていた件についての判決書が発表され、安吉智行の訴えがほぼ認められた。

また上海市の高等人民裁判所でも先ごろ、浙江省の吉利控股集団と威馬汽車との「商業機密侵害」に関する判決が下され、威馬汽車が吉利汽車に対して被害総額500万元(約9570万円)および侵害の差し止め費用200万元(約3828万円)の合計700万元(約1.34億円)を賠償するよう命じられた。判決では、威馬の「EX5」に使われている部品の設計図5件がいずれも吉利汽車のものであると見なされ、威馬に対し使用を停止するよう命じている。

威馬は2018年にも、威馬汽車科技、威馬智慧出行科技、威馬汽車製造温州、威馬新能源汽車銷售のグループ4社が、吉利控股と吉利汽車研究院より商業機密を侵害したとして起訴され、21億元(約402億円)を支払うよう命じられている。

威馬汽車と吉利汽車との間で、今回の上海での判決以外にも特許権を巡るトラブルが42件発生しており、いずれも上海の知財裁判所で一審の判決/裁定が下されている。このうち13 件は吉利が訴えを取り下げ、11 件については吉利の訴えが棄却されている。

威馬は今回の判決について、「吉利に特許権があるとされた部品はほとんどが未使用で、使う予定もない」と表明し、すでに控訴している。

(中国経済新聞)