中国指導部は2023年の経済運営方針を決める「中央経済工作会議」は、中国が新型コロナウイルス感染抑制に向けた厳格な「ゼロコロナ」政策の解除を進める中、16日までの2日間の日程で開催された。
指導部は国営新華社通信を通して発表した声明で、2023年は積極的な財政政策と慎重な金融政策を実施すると表明。財政政策は必要な支出を維持しながら一段と効率的に強化され、金融政策は流動性を適度に確保しながら的確かつ強力に実施されるとした。ただ大規模な景気刺激策の実施は示唆されていない。
会議では「来年は安定という言葉を堅持し、安定的に進歩を求めていこう」などと「安定」が繰り返し強調された。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、上海市などでロックダウン(都市封鎖)が広がり、経済が大きく混乱した反省があるとみられる。
経済成長のあり方として、「成長、雇用、物価の安定化に重点を置き、合理的な量的成長を実現する」と掲げ、「内需拡大に注力し、優先的に消費を回復・拡大する」と打ち出した。
一方、不動産政策に関しては、「住宅は住むものであり、投機の対象ではない」とする従来の方針を堅持。ただ、この方針に基づき不動産価格の抑制を図ったことが市況の悪化を招いており、住宅の購入支援に取り組む方針も掲げた。
習近平国家主席は会議に出席し、談話を発表した。その中で、習主席は2022年の経済活動を総括し、当面の経済情勢を分析したうえで、2023年の経済活動について指示した。
習主席はまた、「われわれは、重大なリスクを防止・解消し、経済運行の全体的な改善を推進し、効果的な質の向上と合理的な量の成長を実現させ、社会主義現代化国家の全面的な建設に向けて良いスタートを切ならければならない」と指摘した。
年に1度行われる中央経済工作会議は、現在の経済情勢を判断し、来年のマクロ経済政策を決定する上で最も権威ある「風向計」であり、中共中央・国務院が行う最高レベルの経済工作会議でもある。党中央・国務院の指導者、全国人民代表大会・全国政治協商会議の指導者、各省・自治区・直轄市党委員会政府の主要責任者、中央・国家機関各部門の主要責任者、軍隊の各軍区・兵種などの主要責任者、中央直轄の関連企業の主要責任者などが出席する。
(中国経済新聞)