「奈雪的茶」が同業の「楽楽茶」に103億円を出資 持ち株率43.64%で筆頭株主に

2022/12/7 08:30

中国で人気のミルクティーチェーン店「奈雪的茶控股有限公司」は12月5日、同業の「楽楽茶」(LELE CHA)を運営する上海茶田餐飲管理有限公司(以下「楽楽茶」)へ資本参加すると発表した。「楽楽茶」の株式43.64%を保有して筆頭株主となる。

奈雪的茶、楽楽茶ともに茶系飲料の大手新興ブランドであり、今回奈雪が楽楽茶に資本参加することで、この業界が新たなステップへ進むことになる。

奈雪的茶

奈雪的茶は今回の投資の理由や目的について、「茶飲料業界の大手の一つである楽楽茶は現在、特に華東エリアでしっかりしたブランド力や消費者の評価を得ている」と表明している。この投資案件はまた、業界の競争環境にさらなる改善につながり、奈雪的茶は店舗の拡大や運営などで経費の節減が期待できる。

楽楽茶は公告によると、2021年の売上高が約8.7億(約170億円)である。楽楽茶の最高経営責任者である李明博(Li Mingbo)氏は「茶系飲料という業界を切り開いた奈雪的茶は、店舗の開拓や商品開発、営業、サプライチェーン、デジタル化などで十分な力を備えており、株主となることを強く歓迎する。奈雪的茶の支えを得たことで、今後は商品や運営力を一段と根付かせ、引き続きお客さまに質の良い商品やサービスをお届けする」と述べている。

ただし楽楽茶は、奈雪的茶の出資後も独立運営を続け、今年は72店舗を新規にオープンさせ、2023年の春節までに店舗数を158店とする予定である。

  花をテーマとする楽楽茶店舗

新興茶系飲料について、CCFAによると2021-2023年は成長率が最高で20%に達し、2023年の売上高は1428億元(約2.8兆円)となる見込みである。また灼識諮詢(China Insights Consultancy)の予想では、市場規模は向こう5年間急成長を維持する。中国では、これら茶系飲料の全商品の小売額は2015年の249億元(約4886億円)から2020年には725億元(約1.4兆円)に増えており、その後年間平均26.2%の割合で伸び続け、2025年には2,326億元(約4.6兆円)に達するという。

(中国経済新聞)