2022年も暮れが近づき、A株(中国株)のIPO(新規上場)が数量も融資額も世界の主な資本市場をはるかに上回るという姿が鮮明になっている。
A株は今年、1月から12月5日までのIPO達成社数が369社で、融資額は5466億元(約10.7兆円)であった。プライスウォーターハウスによると、2022年1年間の新規参入社数は400近くになり、融資額は5600億元(約11.0兆円)を超える見込みである。これらを去年と比べると、IPOは493社から約20%減り、融資額は同じく5478億元(約10.7兆円)より約3%増える。また融資の平均額は27%増の14億元(274億円)となる。
IPOを取引所別に見ると、上海証券取引所が140社、深セン証券取引所が176社であり、またIPO融資額は上海が3351億元(約6.6兆円)、深センが2009億元(約3.9兆円)で、これらが世界の1、2位を占める。
プライスウォーターハウスの予想では、上海では12月末までの新株発行数が150株近く、融資額は3400億元(約6.7兆円)近くに達し、深センは発行株が190株近く、融資額は2100億元(約4.1兆円)近くとなる。また北京証券取引所は、2022年1月~11月のIPO融資額が100億元(約1961億円)を超えており、年間では130億元(2549億円)近くに達するという。
さらに業種別に見ると、A株のIPOは主に工業や素材、情報技術、通信サービス、医療・医薬品、消費財となっている。
なお発足以来規模が拡大している北京証取は、第三四半期から上場会社の数が急増しており、2022年に上場した53社のうち9月以降の上場が26社となっている。
一方で香港IPO市場は、長引くコロナの影響やグローバル経済の不透明性により、2022年はIPOへの資金集めが伸び悩んでいる。
プライスウォーターハウスによると、香港市場は2022年1年間、新株件数が80株(前年比19%減)、融資額は1056億香港ドル(約1.85兆円)(同68%減)の見込みである。これらを業種別に見ると、工業・素材、小売り、消費財、サービス業などとなっている。
(中国経済新聞)