中国新興EV「小鵬汽車(Xpeng Motors)」の赤字幅が拡大、夏珩(XIA Heng)総裁が執行役員を退任

2022/12/2 10:45

中国の三大EV(電気自動車)メーカーの1つである小鵬汽車(Xpeng Motors)は、2022年第3四半期(7-9月)に前年同期比19.3%増の68.2億元(約1310億円)の売上高を達成したものの、純損失は前年同期比49%増の23.8億元(約457億円)となった。

小鵬汽車は、1台売るごとに、10万元(約200万円)の損をしているとの話も出ている。

小鵬汽車が11月30日に発表したデータによると、第3四半期における同社の販売台数は29,570 台で、前年同期比15%の増加にとどまり、成長率は2022年の中で最低となった。また、第1四半期および第2四半期における販売台数は、それぞれ前年同期比159%と63.2%の増加となった。第3四半期における上海蔚来汽車(NIO)の販売台数は前年同期比29.3%増、零跑汽車(Leap Motor)の販売台数は同168%増と、他の新エネ車メーカーと比較しても低い数字となっている。

販売台数の伸び悩みにより、小鵬汽車の売上高成長率は再び低下している。旧モデルの販売台数が減少し、新モデルが軌道に乗らなかったことが、第3四半期における同社の成長不振の主な原因だと考えられる。

小鵬汽車の基幹車種であるEVセダン「P7」の販売台数は2022年6月以降減少を続けており、第3四半期の販売台数は前年同期の85%にとどまっている。こうした背景には、「P7」のモデルチェンジが控えており、消費者の様子見が影響していると思われる。

 11月30日、小鵬汽車は、同社の共同創業者兼総裁である夏珩(XIA Heng)氏が執行役員を退任したと発表した。現在、小鵬汽車の執行役員として残っているのは、取締役会長の何小鵬(He Xiaopeng)氏だけとなっている。

共同創業者兼総裁である夏珩(XIA Heng)氏

何氏は11月30日の決算電話会議において、11月の販売台数が5,800台を超え、12月には大きく回復して1万台レベルに戻るとの見通しを示した。

中国政府が2023年1月から新エネ車への補助金を廃止するとの報道がある。これが事実であれば、新エネ車の製造・販売に大きな影響を与えることになるだろう。

注:夏総裁は清華大学自動車学科を卒業し、その後、広州汽車グループ中央研究院で電気自動車の制御に関する研究開発に従事した。2014年にアリババモバイル事業担当総裁(役員)の何小鵬氏と広州汽車グループの同僚だった何濤(He Tao)氏と共に新鋭の電気自動車(EV)会社である小鵬汽車を創設した。

(中国経済新聞)