ゴールドマンサックス「2022年の中国GDP成長率は3.0%、2023年は4.5%」

2022/12/1 17:33

ゴールドマンサックスのチーフ中国エコノミストである閃輝(Shan Hui)氏は11月30日、2023年の中国経済を展望するメディア交流会で、「2023年の中国経済は、輸出がマイナスに転じ、インフラ投資の成長も伸び悩み、不動産が成長の足を引っ張ると見られる中、成長を果たすには消費の回復が一段と頼りになる」と述べた。

ゴールドマンは中国の経済成長率について、2022年が3.0%、2023年は4.5%に伸びると見ている。消費以外の項目はいずれも低下傾向であり、輸出は2022年の8.5%からあるいは-2%にダウン、投資も3.5%から小幅減の3%となる。閃氏は、2022年のような不動産投資の大幅減やインフラ投資の高止まりは異例の事態であるとし、「2023年はインフラ投資の伸びも一服し、不動産投資も足かせとなるのではないか」と見ている。

中国政府の金融当局による最近の不動産業テコ入れ策について閃氏は、「不動産業は政府が安定を図るために支援策を出しているが、来年はGDP成長率を押し下げるだろう。ただ今年のような深刻な影響はないだろうが」と分析している。長い目で見れば、人口構成比や投資需要などの変化を受けて不動産需要の後退が30年間続く見込みであるが、向こう数年間は成長率への影響も少しずつ収まっていくという。

閃氏は2023年の中国経済の成長理由について、消費の回復や反発を挙げている。ゴールドマンによると、消費成長率は今年の1%から7%に跳ね上がる見込みで、この理由は2023年には徐々にコロナ規制を撤廃していくとの判断による。来年3月の全国代表者会議「全人代」の後で「安全な形で緩和する」と見ている。

ゴールドマンは、中国は2023年第二四半期にコロナ規制を撤廃すると見ており、新規感染者数が増えても封鎖措置をしない可能性が60%、2023年4月以前に撤廃する可能性が30%、2023年7月以降に撤廃する可能性が10%という。

しかし規制が撤廃されてもすぐに経済が回復するわけではない。閃氏によると、2023年前半は第二四半期も含めて不景気が続き、ここで支援策をさらに打ち出す必要があるが、後半に入ると消費も回復して政策も終了するとのことである。