10月30日に始まる中国の冬春ダイヤの運航開始を控え、最近、航空会社による国際線の運航再開と拡大の発表が続いている。シーズン前に比べて路線数は倍増し、アジア、ヨーロッパ、アメリカ大陸の都市を網羅している。
中国オンライン旅行会社最大手「去哪(Qunar)」によると、国際線、香港、マカオ、台湾のフライト検索数は10月以降90%増加しており、上海〜台湾・台北、香港〜南京、上海〜マカオ、青島〜韓国・ソウルがより人気の高い路線となっている。
特に、9月26日に「0+3」の入国管理政策(指定ホテルでの隔離検疫がなくなり、自宅や希望するホテルで3日間の医療観察のみ)が実施されて以来、香港から中国本土への入境者の割合は、9月の15%程度から10月には40%に増加した。また、10月25日現在、香港から中国本土への航空券の予約は、前月比2倍、航空運賃の平均価格は、前月比20%減の3,000元(約6万円)以下となっている。
航空運賃については、去哪における国際線の平均価格が9月以降下落傾向にあり、10月25日には前年同期比20%減となった。
航空便の運行状況や座席予約ができるアプリ「航旅縦横(umetrip)」の統計でも、10月24日時点における国際線の平均運賃(税別)は1万元(約20万円)前後で、9月から19%減少している。また、一部の人気国際路線では運賃が下落傾向にあり、例えば、10月の中国発英国行き直行便の平均価格は前年同月比で約15%減少している。
10月1日から24日における中国航空会社の国際線運航実績は2,800便、国内外への旅客輸送実績は17万人を超え、昨年と比較して約80%増加した。
国際線が集中的に増加した背景には、8月の国務院常務会議において、中国の国内・国際旅客便の秩序ある増便と、海外企業との人の往来を円滑にするための施策が策定されたことが考えられる。その後、中国民用航空局(Civil Aviation Administration of China)も、ビジネスなどの人的往来に応えるため、国際定期便を徐々に、そして着実に増やしていくことを一部の国と協議中であると述べている。
(中国経済新聞)