中国における国家級ハイテク企業の数は、その地域の産業転換と高度化を示す重要な指標だ。
統計によると、2021年時点で、中国には2000社以上のハイテク企業を抱える地級市が13あり、すべて長江デルタと珠江デルタの都市に集中している。このうち、3000社を超えたのは、蘇州市、東莞市、仏山市、無錫市、温州市、嘉興市の6都市で、広東省、江蘇省、浙江省からはそれぞれ2都市ずつとなった。
蘇州市は2021年にハイテク企業が1393社増え、累計11165社に達し、数では地級市2位の東莞市より3778社多く、4強に次ぐ中国全都市で第5位となった。また4位の広州市より270社少ないところまで迫っている。
蘇州市は地級市の筆頭として「最もパワフルな地級市」と称されている。2021年のGDPは2.2718兆元(約46.4兆円)で、中国全都市の中で北京市、上海市、広州市、深圳市、重慶市に次ぐ第6位だった。
蘇州市に続き、珠江デルタの東莞市と仏山市でもハイテク企業の数が7000社を超え、東莞市は7387社で地級市の中で第2位となった。近年、東莞市はファーウェイが事業の一部を同市の松山湖に移転するなど、深圳市から多くのハイテク産業の波及効果を引き継いでおり、ハイテク産業の発展は東莞市全体の産業高度化を牽引する重要な要因となっている。
江蘇省南部の無錫市はハイテク企業が4609社で地級市全体で第4位、浙江省温州市と嘉興市はともに3000社以上で5位と6位だった。つまり、広東省、江蘇省、浙江省には、3000社以上のハイテク企業が存在する都市がそれぞれ2つずつあることになる。
この6都市は、蘇州市、東莞市、佛山市、無錫市などの経済規模が大きく、GDPが1兆元(約20兆円)を超える二線都市が中心となっている。一方、浙江省北部に位置し、上海に隣接する嘉興市もハイテク企業が3000社を超えており、注目を集めている。
(中国経済新聞)