中国火鍋チェーンの海底撈、赤字続きで「警報」を発令

2022/08/20 19:15

香港で上場している中国の火鍋チェーン店「海底撈」は8月14日、2022年上半期の業績予想を発表した。売上高は最高で17%減、また利益面も去年後半からの赤字を抜け出せず、最高で2.97億元(約59.7億円)の赤字と見ている。

海底撈は、コロナの影響が出始めた2020年の初めもペースを緩めずに急速な店舗拡大を続け、この年の後半と2021年の前半で、2019年末の全店舗数にほぼ匹敵する662店をオープンさせた。コロナへの読みが甘かった模様であり、店の運営費用が大幅に増えた上に新店舗の売上も不振で、投資回収が遅れて泥沼状態に陥ってしまった。

こうした状況を脱却すべく、2021年11月から「キツツキ計画」と称し、経営状態を見極めて地方都市のおよそ300店舗を閉鎖した。これらの店は、景気が落ち込む中で市場の占領を目指して急拡大した時期の店である。このために2021年は上場後初の赤字となり、上場以来3年分の利益をほぼすべて吐き出す41.6億元(約835.6億円)の赤字を計上した。

海底撈は今年、株価も低迷しており、ピークだった去年2月から最高で83%も落ち込み、一時期4800億香港ドル(約8.37兆円)だった時価は現在1000億(約1.75兆円)以下になっている。

(中国経済新聞)