中国の新エネ車メーカー・BYDは8月15日、江西省宜春市に285億元(約5600億円)をかけて年産30GWhの車載電池工場を建設すると発表した。
韓国の市場リサーチ会社SNE Researchが発表した、2021年の世界の車載電池ランキングによると、BYDは容量で全世界の8.80%となる26.3GWhであった。よって、今回の案件は去年1年分を上回る製造事業となる。
こうした生産体制の強化は売上の急激な伸びに支えられたもので、BYDの公式データによると、7月の自動車販売台数は前年同月を183.1%上回る16.25万台で、うち乗用車は前年比184.7%増、前月比21.3%増となる162214台であった。また2022年1月~7月の全販売台数は80.38万台で、73万台だった2021年分をすでに上回っている。
また中国で注目すべき点として、7月は電池の搭載車両が前年同月比で114.2%増えた中、リン酸鉄リチウムが三元リチウム電池を上回った。リン酸鉄リチウムの会社別シェアはBYDが41.9%で、新エネ車向け電池メーカーであるCATLの37.37%を逆転した。
輸出については、7月は計2.0GWhで、うち三元電池が全体の25.6%となる0.5GWh、リン酸鉄リチウム電池が73.6%の1.5GWhであった。2030年には全世界の車載電池の出荷数量が3000GWhとなり、その中で中国が最大のシェアを占める可能性が高いとの予想が出ている。
(中国経済新聞)