通販サイトが地方都市の消費力を掘り起こし

2022/08/5 08:00

中国の各通販サイトはこのところ、一、二線都市(大都市)での伸び悩みを受け、「下沈市場」と呼ばれる地方都市などに目を向け始めている。

 中国人民大学の智能社会整備研究センターで幹部研究員を務める王鵬氏は、この「下沈市場」について、「三線以下の都市、県や鎮、農村地域、中西部地域、および大都市の非高級品志向者を指し、中高年が中心で所得が低い。こうした層を捉えるのであれば、コスパの良い商品をそろえ、品質を保証し、サプライチェーンを整え、しっかりとPRしなくてはいけない」と述べた。この「下沈市場」は現在、総人数は中国全体の70%となる10億人近く、面積は全土の95%を占めている。

拼多多、淘特、蘇寧などの従来からの会社が豊富な品数で客を集めている一方、Tiktokや快手など新興の会社がコンテンツセールスを頼りにこれらに対抗している。QuestMobileのデータによると、今年4月までの1年間、ショートビデオや通販などのAPPの新規ユーザーのうち、半数以上が「下沈市場」によるものである。

農村地域では、通販サイトが普及するにつれてネット販売市場が回復している。中国商務省によると、今年上半期、農村部におけるネット販売の総額は前年同期比2.5%増の9759.3億元(19.33兆円)で、このうち現物商品が3.6%増の8904.4(17.65兆円)億元である。また、農産物の販売額は11.2%増の2506.7億元(4.967兆円)となっている。

(中国経済新聞)