自動運転のベンチャー企業、機密情報侵害で元幹部に11億円を請求

2022/08/3 20:45

自動運転のベンチャー企業である「小馬智行」は8月2日、同社の元技術系社員で、「擎天智カ」のCEOである潘震皓氏とCTOである孫又晗氏、および擎天智カを相手取り、営業秘密を侵害したとして6000万元(約11.85億円)を賠償するよう北京の知財裁判所に訴えたと発表した。公開情報によると、潘氏は小馬智行のトラック担当子会社「小馬智カ」の元CTOで、孫氏は小馬智カのアメリカスタッフ計画担当であった。いずれも2021年末に小馬智行を退社し、2021年11月にトラックの自動運転を目指す「擎天智カ」を立ち上げている。

この件について業界では、「技術集約型の企業だから」などと当然視されている。深度科技研究院の院長である張孝栄氏も、「退社後に同じ業種で会社を興し、同じような客を相手にして、似通った技術を使って同類の製品を作る、これでは簡単に前職の機密事項に触れてしまう」と述べている。

同じように自動運転の世界で元社員が立ち上げた会社を機密侵害で訴えたケースとして、2017年にバイドゥが元社員の王勁氏と立ち上げ先の「景馳科技」を告訴した例がある。この件では、王氏がすでに景馳科技のCEOを辞任し、景馳科技がバイドゥの公開アプリ「Apollo」に加わったことで、訴えは取り下げられた。バイドゥの方は今や自動運転で確固たる地位を確保しているが、小馬智行と擎天智カの件は、「立件直後で見当つかず」との状態であり、今後の成り行きは不透明である。

(中国経済新聞)