中国ではペットを飼う人が増え続けている。ペット関連の市場規模は千億元レベルに達し、「消費者を射るならペットを射よ」とばかりに、異業種間提携が進められている。
飲食業界でもペット営業
マクドナルドは去年12月、指定のセットメニューを注文すれば先着10万人に「ハンバーガー式猫ハウス」をプレゼントするキャンペーンを行った。注文用アプリが一時期パンク状態となる大反響を巻き起こし、異業種コラボの典型例ともなっている。
またケンタッキーも、ペットのブランド「VETRESKA」と提携し、猫ハウス型のホームパックを発売した。50センチ近い高さの容器にセットメニューを入れて、売値は138元である。
先着1800人を対象として上海地区で行われたこのキャンペーン、中古品アプリでは188元で転売されている。
さらに、スターバックス、HEYTEA、Manner Coffeeなどの各チェーン店も、「ペットと親しむ」特別店を開いている。店内にペット特設エリアを設けているほか、動物との触れあいニーズを引き上げるためにペット用の食べ物や飲み物を用意している店もある。
飲食業界だけでなく、高級ブランド業界もペットを巻き込み、中国のペット市場にぜいたく品ブームを起こしている。
CELINEやGUCCIは5月から、首飾りやペット用ウェアなど、ペットとの暮らしに関連した商品を相次いで売り出した。売値はほぼ1000元から1万元で、GUCCIの最高級動物用ベッドは7万元である。
中国では、生活水準が上がるにつれて動物を飼うことへの考え方も変わり、ペットは「家族」や「子供」など仲良しのパートナーになって、ペット産業の規模も膨らんでいる。
リサーチ会社「艾媒諮詢」が発表した「2022-2023年の中国ペット産業発展・消費者調査研究報告」によると、ペット産業の規模は2022年が前年比25.2%増の4936億元、2025年には8114億元に達するという。
ペットによる営業は消費者の心理に合わせたもので、商品への好感度や愛着感が高まるもの、という見方が各社の間で広まっている。
注:記事発表時点の為替レートは1元=20.50円
(中国経済新聞)