中国の不動産市場は、過去20~30年間、特に今世紀に入ってから飛躍的に成長し、都市部では1人あたりの居住面積が36平方メートル以上となった。今後は需要がどの程度伸びるのだろうか。
不動産リサーチの貝殻研究院が7月13日に発表した「2021-2035住宅市場需要予測報告」によると、中国の住宅需要はすでに下り坂に向かっており、2021~2035年の間は201~247億平方メートルで、2035年には改築や移転に関する割合が9割に達すると予想している。
この報告では、住宅需要を支えるのは人口であるとし、15~64歳の労働力人口の15歳未満および64歳以上の合計に対する割合、すなわち扶養割合の逆数が社会の生産力を示すという。日本や韓国などの例から、人口割合におけるピークは住宅需要のピークより3~4年早く、また住宅の発展は急成長期、高位変動期、下降期に分けられる。中国では、人口割合が2010年にピークを迎えていることから、住宅需要はすでに下降期に入っている。
都市部の世帯向け住宅の建設時期を見ても、こうした傾向が分かる。国家統計局が先ごろ発表した「中国人口普査年鑑-2020」について、第一財経でデータを整理してみたところ、1990年以降の建設分が88.4%もあり、中でも今世紀に入ってからの物件が68.1%であることが分かった。年代別にみると、1990年代の建設が20.3%、2000年代が32.86%、2010年以降が35.02%である。中でも2010年から2014年の物件が22.17%もあり、ちょうどこのころが住宅需要の最盛期だったのである。
「中国人口普査年鑑-2020」によると、都市部の現在の1人あたり居住面積は36平方メートル以上となっている。
また報告では、今後の新規の住宅需要について、農村から都市部への移転に伴う固定的なもの、都市部での住民や転入者の増加による改築など、都市部の老朽化住宅の立て直し、という三種類に分けられるとしている。
(中国経済新聞)