上海市浦東新区で6月28日、弁当の配達員が、川に転落したバスの車内に閉じ込められた運転手を救出した。
救出したのは、弁当の宅配会社「美団外売」の配達員である楊飛さんで、6月28日午前、ちょうど配達を終えたところに大勢の人が川に走っていくのを見て、そこへ向かった。すると「『中に人がいる』との叫び声が聞こえた。落ちたところのすぐ近くにある食堂の店主の声だった」と楊さんは言った。
これを聞いた楊さんは、すぐに窓からバスの中に入り、また美団のヘルメットをかぶった別の配達員もそれに続いた。さらに、バス会社の職員と見られる男性も中に入っていった。
車内で、頭だけ水面から出ている運転手が見つかり、4人が力を合わせて運転席から車内後方の安全な場所に運んだ。楊さんらはその後、前部の座席など車内のあちこちを見て、他に人がいないことを確認した上、現場を去った。
こうした行動をとった楊さんは、「当然のこと。なにしろ命は1回きりだから、自分にできることはやらなくては」と語った。
美団外売は、楊さんの人命救助行為を称えるべく、「先鋒騎手」として表彰するよう申し出たと表明している。
（中国経済新聞）