中国では8月19日の七夕節をきっかけに、観光や演劇、映画、ギフトなど幅広い分野で消費が活発化している。今年の七夕は平日に当たることから、週末に旅行を組み合わせる動きも目立つ。消費者の間では、形式的な「七夕らしさ」よりも、旅行や観劇などを通じて得られる体験や感情的な満足を重視する傾向が強まっている。
中国の旅行会社・途牛によると、今年は七夕旅行を週末に設定した観光客が3割を超えた。北京、上海、南京、広州、成都、天津、瀋陽、杭州、重慶、武漢などでは、旅行を通じて七夕の記念日を楽しもうとする需要が特に強いという。

週末に七夕旅行を楽しむ層では、親子連れが全体の6割以上を占めた。一方、七夕当日に旅行する人では、カップルや若い夫婦が約55%に達している。
旅行商品の選択にも変化が見られる。カップルや若い夫婦の間では、予定を柔軟に組める個人旅行商品の人気が高く、「チケット+ホテル」のセット商品が好調だ。北京ユニバーサル・リゾート、珠海長隆リゾート、広州長隆リゾート、上海ディズニーリゾートなどの宿泊付き商品が人気を集めている。
また、今年の七夕は、観劇と宿泊、飲食を組み合わせた「マイクロツーリズム」型の消費も注目されている。錦江リゾーツ傘下のラディソンホテルと上海文広演芸集団(SMG LIVE)は戦略的提携を結び、ホテル宿泊や歴史的ランドマークでの没入型体験、会員特典などを組み合わせたコンテンツを展開。ミュージカル作品を軸に、観劇だけでなく宿泊、食事、都市観光へと消費を広げる取り組みとなっている。
例えば、「オペラ座の怪人」の公演チケット2枚とホテル1泊をセットにした商品では、観劇と宿泊を一体化させることで、消費者の滞在時間と消費機会を広げている。こうした取り組みは、文化、商業、観光、スポーツ、展示会など複数の分野を連動させる「文商旅体展融合」の一例ともいえる。
映画も七夕の主要な消費先となっている。8月19日15時40分時点で、猫眼プロフェッショナル版によると、同日の中国映画興行収入は1億6900万元に達した。興行収入ランキングでは「Welcome to Dragon Restaurant(歓迎来到龍餐館)」「空槍」「オデュッセイア」が上位を占めた。2026年の中国の夏休み映画興行収入は、すでに105億元を突破している。
ギフト市場も七夕商戦で盛り上がっている。唯品会によると、七夕前の1週間はギフト需要が消費の中心となり、化粧品ではスキンケアセット、香水、メイクアップセットなどの販売が大きく伸びた。男性向けスキンケアも人気を集め、男性用美容液やスキンケアセットの需要も増加している。
さらに、若年層の消費トレンドを背景に、真珠アクセサリーや金製品の販売も七夕を前に急増した。特に注目されるのがブラインドボックスだ。中身が分からない商品を開封する楽しさが若者の間で支持され、七夕の新たなギフト手段として販売を伸ばしている。
こうした動きから、今年の中国の七夕消費では、「モノを贈る」だけでなく、「一緒に過ごす時間」や「特別な体験」にお金を使う傾向が鮮明になっている。旅行、観劇、ホテル、飲食、映画、ギフトといった異なる消費シーンが七夕を軸につながり、「形式より体験」を重視する新たな記念日消費が広がっている。
(中国経済新聞)
