中国、2025年の結婚最多は25~29歳 「全国どこでも婚姻届」で広がる結婚支援

2026/10/2 15:30

中国では、25~29歳の年齢層が結婚する人の割合で13年連続トップとなった。中国民政部が9月30日に発表した「2025年民政事業発展統計公報」によると、2025年に全国で婚姻届を提出したカップルは676万5000組に上り、前年から10.8%増加した。

民政部によると、2025年の全国の婚姻登録機関・施設は計4162カ所。このうち婚姻登録機関は1134カ所だった。年間の結婚率は4.8‰(千人当たり4.8組)で、前年より0.5ポイント上昇した。

2025年の結婚登録者の年齢分布を見ると、25~29歳が499万人で最も多く、全体の36.88%を占めた。25~29歳は2013年以降、13年連続で結婚人口に占める割合が最も高い年齢層となっている。

中国では近年、「適齢婚育(適切な年齢での結婚・出産)」を推進するとともに、結婚や出産を後押しする社会的な支援体制の整備を進めている。2025年の結婚件数の増加には、こうした制度面の変化も注目されている。

大きな制度変更となったのが、2025年5月10日に施行された改正「婚姻登記条例」だ。これまで婚姻届の提出には戸籍所在地などによる地域的な制限があったが、改正後はその制限が撤廃され、戸籍所在地にかかわらず全国の婚姻登録窓口で手続きできるようになった。

いわゆる「婚姻登録の全国通用化」によって、旅行先で結婚証を取得することも可能になった。これを受け、中国各地では観光と婚姻届を組み合わせた「結婚登記+観光」の取り組みが広がっている。

公園や観光地だけでなく、ショッピングモール、地下鉄駅、遊覧船、音楽フェスティバル、銀行、図書館、博物館、病院、高速道路のサービスエリアなど、さまざまな場所に婚姻登録サービスセンターを設ける自治体も登場している。

その一例が、河北省石家荘市の「石家荘西サービスエリア」だ。2025年6月14日にリニューアルオープンした同サービスエリアでは、従来の休憩・飲食機能に加え、買い物やレジャーなど多様なサービスを提供。その中には婚姻届の手続きも含まれている。

中国では、結婚という人生の重要なイベントを「旅行」「観光」「消費」と組み合わせる動きが目立つようになっている。

結婚する人への支援策として、婚姻休暇の延長も注目されている。2025年9月24日には、広西チワン族自治区人民代表大会常務委員会が人口・計画出産条例の改正案を可決。法律に基づいて婚姻届を提出した夫婦について、国が定める婚姻休暇に加えて、さらに15日間の休暇を付与する規定が盛り込まれた。中国では地域によって婚姻休暇の日数が異なるため、各地の制度変更が結婚をめぐる重要な支援策となっている。

さらに、結婚そのものに対して現金を支給する自治体も出てきた。山西省呂梁市では、2025年1月1日から、同市で婚姻登録を行い、双方とも初婚で、女性が35歳以下の夫婦を対象に、1500元(約3万4500円)の結婚奨励金を支給している。

福建省明渓県でも、婚姻登録センターで正式に結婚手続きを行い、婚前健康診断を受けた初婚夫婦などを対象に、一組3000元(約6万9000円)の一時金を支給する制度が設けられた。結婚後に夫婦双方が同県に戸籍を移すことなどが条件となっている。

浙江省紹興市嵊州市では、条件を満たす初婚夫婦を対象に、婚前健康診断と妊娠関連検査を組み合わせた無料サービスを提供するとともに、300元(約6900円)の奨励金も支給している。

結婚祝いに「消費券」を配る地域もあり、現金給付だけではない。広東省の広州市白雲区や東莞市横瀝鎮、佛山市順徳区陳村鎮などでも、結婚を促すためのさまざまな支援策が打ち出されている。また、浙江省の杭州、寧波、義烏、安徽省の蕪湖などでは、新婚夫婦を対象に結婚関連の消費に利用できる「結婚消費券」を発行する取り組みも行われている。

結婚を単なる個人間のライフイベントとして捉えるのではなく、観光、消費、地域振興などと結び付けることで、結婚を取り巻く経済活動そのものを活性化させようとする動きともいえる。

中国では、出生数の減少や少子化への対応を背景に、結婚・出産をめぐる環境整備が進められている。2025年の制度変更では、婚姻届の地域制限を撤廃することで手続きを便利にすると同時に、観光地などで結婚証を取得できる新たなスタイルも広がった。さらに、婚姻休暇の延長、現金による結婚奨励金、無料の婚前検査、消費券など、地域ごとにさまざまな支援策が登場している。

2025年に結婚した人のうち、25~29歳が499万人と最も大きな割合を占めたことは、若年層の結婚をめぐる中国社会の動きを考えるうえでも注目される。

(※日本円換算は1元=23円として計算。)

(中国経済新聞)