「今年は生き延びるのみ」。家庭用紙類を製造する会社の社長である葉さんは、ため息交じりにつぶやいた。
葉さんは、年に1度の通販特売日である「618」の6月18日、「例年は売上が3-4倍になるが、今年はその半分ほどの1.5倍くらいしかいかない」と述べた。
「3月ごろから売行きが落ちている」という。
葉さんの会社は完全なる通販業者ではなく、ティッシュやペーパータオル、チリ紙など家庭用の紙のデザインや生産、製造を手掛け、宣伝タレントも起用している。
ただし、販売チャネルはタオバオ頼みであり、京東や拼多多なども利用しているが運営は思わしくない。また現場サイドでも売っているが、通販には及ばない。
葉さんはまた、原材料費の高騰にも頭を悩ませている。
調査会社の卓創資訊によると、パルプの価格は5月26日の時点で7700元/トン(約15万4786円)で、4月より250元/トン、率にして約2.67%の値上がりとなっている。
葉さんは、「とりあえず持ちこたえなくては、原材料が高すぎる」と漏らす。「中国生活用紙年鑑」によると、中国では1993-2019年、家庭用紙類の1人あたり消費量は増加の一途をたどっており、2018年は世界の平均である5.2kgを上回る6.4kgとなっている。ただし同じアジアの日本、および北米などよりは少ない状態であり、今後2倍以上に増えていく可能性もある。
(中国経済新聞)