ビッグデータ研究所が発表した「2022年大学新卒者就職データ報告書」によると、2022年新卒者の77.35%が就職状況を厳しいと考えており、楽観的だったのははわずか9.69%であることがわかった。
新卒者が就職先として希望する企業の種類を見ると、国有企業が42.32%を占め、強い魅力を放っている。
今年4月、帰国者の一人である天舒さんは、数回の面接と筆記試験を経て、無事に大手国有企業に入社することができた。高校卒業後、天舒さんは米国に留学し、修士号を取得した。天舒さんは、新エネルギーを研究し、業界の上流から下流までをカバーし、発言力を持つのは国有企業だけだと考え、国有企業にターゲットを絞ることにした。本人の話によると、海外で面接の準備をする際、中国の業界や関連政策を把握するため、時差を越えて「新聞聯播」(中国中央電視台が中国時間19時00分から19時30分に放送しているニュース番組)を見たそうだ。
天舒さんと同時に、世界トップ10大学の留学生や、修士号をダブルで取得した留学生が何人も面接を受けたというから、その競争の激しさがうかがえる。
第一候補として国有企業を選ぶ学生は、新型コロナウイルスの後、国有企業の安定性が強調されたと考える。国有企業は従業員の健康やケアを保障することに長けている。加えて、長期的な職業訓練計画があり、一帆さんは入社後5年間の職業訓練を受け、将来の方向性を決めるという。
また、他の卒業生からは、外資系企業が人材の入れ替わりが激しい傾向にあるのに比べ、国有企業では生涯一つの職場で働き、一つの分野、一つの専門に集中する人が多く、同僚同士が知り合い、深い人間関係が築ける。
智聯招聘が発表した「2022年大学生就業力調査報告書」によると、4月中旬時点で、卒業生の46.7%が内定、15.4%が契約、その内、民間企業、国有企業と契約した卒業生がそれぞれ31%、30.9%を占めた。
(中国経済新聞)