老干媽、創業者の現場復帰で完全復活――年商約1,130億円、3年で業績V字回復

2026/01/14 10:30

中国を代表する調味料ブランド「老干媽(ラオガンマー)」が、創業者・陶華碧(タオ・ホワビ)の現場復帰を契機に、鮮やかな業績回復を遂げた。

このほど発表された「2025年貴州企業100強」ランキングによると、老干媽の2024年の売上高は約54億元(約1,130億円)に達し、過去最高だった2020年の54.03億元(約1,135億円)にほぼ並んだ。2021年に売上が急落して以降、同社は3年をかけて着実なV字回復を果たしたことになる。

老干媽は2014年、長年第一線で経営を担ってきた陶華碧が徐々に表舞台から退き、事業を2人の息子に引き継いだ。長男の李貴山氏が販売を、次男の李妙行氏が生産を担当し、経営体制は明確な役割分担のもとで運営されていた。しかし、この後継体制下で下された原材料に関する判断が、長年築いてきたブランドの信頼を大きく揺るがすことになる。

いわゆる「唐辛子切り替え問題」が公になると、老干媽は品質に対する消費者の不満に直面し、業績にも陰りが見え始めた。2016年以降、売上高は年々減少し、2016年の約45億元(約945億円)から2018年には約43億元(約900億円)へと縮小。成長は停滞し、辛味調味料市場には新興ブランドが相次いで参入、老干媽の存在感は相対的に低下していった。

こうした状況を受け、2019年、当時72歳だった陶華碧が経営の第一線に復帰した。創業者自らが再び舵を取り、品質最優先の方針を徹底した。新華社の報道によれば、わずかな風味の違いが確認された製品についても厳しく責任を問い、約500トン、数百万元(数億円規模)相当の商品をすべて廃棄したこともあったという。

この徹底した品質管理と、ブランドの原点に立ち返る姿勢が功を奏し、老干媽は徐々に市場の信頼を回復した。現在、同社の製品は世界160以上の国・地域で販売されており、海外事業は業績回復を支える重要な柱となっている。2023年の海外売上高は前年比約30%増と、国内業界平均を大きく上回る伸びを示した。

創業者の現場復帰によって再び勢いを取り戻した老干媽。その歩みは、中国の老舗ブランドが直面する世代交代の難しさと、それを乗り越える一つのモデルケースとして、今後も注目を集めそうだ。

(中国経済新聞)