2025年の中国自動車市場は、かつてないほどの二極化を鮮明に示した。一方で自動車輸出は力強く拡大を続けているが、他方で輸入車市場は深刻な縮小を続けている。この「一進一退」の構図は、グローバルな自動車競争のパワーバランスが大きく変わりつつあることを象徴していると言えよう。
中国の自動車輸入量は、2014年に過去最高の143万台を記録した後、一貫して下降線をたどってきた。2025年1~11月の輸入台数はわずか45万台にとどまり、前年同期比で大幅な30%減となった。特に11月単月では4.3万台にとどまり、同月比29%の減少を記録している。こうした下落傾向を平滑化して見ると、輸入車市場はすでに連続7年にわたりマイナス成長を続けていることになる。
市場の内訳を見ると、極めて特徴的な「二極化」が進んでいる。超高級ブランド(スーパーラグジュアリー)の一部では、上海などを中心にマセラティやランボルギーニなどの回帰・回復傾向が見られる。これは特定の富裕層による高額消費の一時的な復活を反映したものだ。一方、従来の主力市場である北京、上海、杭州、成都、蘇州などの伝統的な富裕都市圏では、主流のラグジュアリーブランドが大きく圧迫されている。
さらに注目すべきは、排気量の集中現象である。全体が縮小する中で、2.5~3リッター排気量帯のモデルシェアが逆に上昇している。これは、中国国産車が2リッター以下の主流セグメントで圧倒的な競争力を発揮した結果、輸入車が生き残りをかけて「小衆・高級」ニッチ市場へと後退せざるを得なくなったことを示している。差別化による生存戦略が、輸入車ブランドに課された現実的な選択肢となっているのだ。
背景には、中国自動車産業の急速な技術力向上と現地生産の拡大がある。特に新エネルギー車(NEV)の分野では、国産ブランドが価格・性能の両面で海外勢を圧倒しており、輸入車の存在感はますます薄れている。2025年の輸入市場は、かつての「輸入車=ステータス」の時代が完全に終わりを迎えつつあることを、数字が如実に物語っている。
この傾向は、2026年以降も続く可能性が高い。中国の自動車産業は「内需の自給自足」と「グローバル輸出」の両輪で成長を加速させており、輸入車市場の縮小はもはや構造的な変化と言えるだろう。世界の自動車メーカーは、中国市場における「現地化」か「撤退」かの厳しい選択を迫られている時代に入ったと言えそうだ。
(中国経済新聞)
