2025年の中国夏季映画興行は、総興行収入がすでに85億元(約1,750億円)を突破した。今年は中国人民抗日戦争および世界反ファシズム戦争勝利80周年にあたり、抗戦の歴史を記憶し、その精神を継承することをテーマにした映画、演劇、音楽、舞踊、美術作品が相次いで公開されている。

その中でも、抗戦題材の映画『南京照相館』(Dead To Rights)は累計興行収入が21億元を超えるヒットを記録。8日に封切られた『東極島』(Truly magical · Paradise)も、すでに1億8,000万元を突破した。さらに、記録映画『山河為証』(Mountains and Rivers Bearing Witness,)や『731』が、それぞれ8月15日、9月18日に全国公開を予定している。

抗戦ものに加え、今年の夏興行ではアニメや喜劇ジャンルも人気を集めている。アニメ映画『浪浪山小妖怪』(Nobody)は、短編アニメ『中国奇譚』(Yao-Chinese Folktales)の一篇「小妖怪の夏」の制作陣が手掛けた初の長編コメディ作品。妖怪たちの職場サバイバルを題材に、伝統文化と現代的な職場哲学を巧みに融合させた。

『羅小黒戦記2』(The Legend of Hei 2)は、猫妖の小黒と師匠・無限が突如舞い込んだ任務に挑み、成長と選択の物語を描く。癒し系の画風を保ちながら、アクションシーンを大幅に強化し、全年齢層が楽しめるファミリー向け作品に仕上げた。

喜劇映画『長安のライチ』(The Litchi Road)は、馬伯庸の同名小説を原作に、唐代の小役人が「ライチ使」の任務を果たすために旅立つ物語を描く。

このほか、夏以降も話題作が続々と控えている。主な公開予定は以下の通り。

8月15日:『山河為証』(Mountains and Rivers Bearing Witnessドキュメンタリー)、『坪石先生』
8月16日:『捕風追影』(The Shadow’s Edge)、『バッドガイズ2』(米・アニメ)、『非人哉:限時玩家』(Fairizest:Rally for Pally)(アニメ)
8月23日:『白衣逆行者』
8月29日:『有朵雲像你』、『脱繮者也』
9月3日:『營救飛虎』
9月5日:『愛のポーズボタン』(ノルウェー)
9月13日:『軽於鴻毛』
9月18日:『731』
記念作品から娯楽大作まで、多様なジャンルがそろう2025年の夏興行は、例年以上に活況を呈している。
(中国経済新聞)