グリー電器社長「エアコンに縛られていた」

2022/06/1 19:10

中国の家電会社「グリー電器」の社長兼総裁である董明珠氏は、5月31日午後に実施した2021年度の業績説明会で、「2021年は、10%という成長目標は果たせなかったが、会社は一段と強くなっていったと思う。それは工業分野における変化である」と述べた。

グリー電器の年間決算によると、2021年は売上が前年比11.69%プラスの1878.68億元で、本体分の利益は同4.01%増の230.63億元であった。

董社長は、「2021年は利益を10%伸ばすといった目標を立てていたが、そこまで至らなかったのは、国際情勢の変化や新型コロナウイルス、原材料の高騰などといった外的要因による。原材料価格の値上がり分をすべて消費者に転嫁するわけにはいかず、製品価格は安定をはかりながら競争力の確保に向けて微調整する必要があった」と述べている。

1991年に設立したグリー電器は、これまで31年間に渡りエアコンなど家電製品の生産に従事している。

今年68歳の董社長は、江蘇省南京市の出身で1990年に入社し営業マネージャーとなり、1994年より珠海支社の経営部部長、副総経理、副社長を歴任、2012年5月にグループの社長に就任している。また、2003年より、全国人民代表大会の代表(国会議員に相当)を務めている。

董社長は業績説明会で、「30年あまりもエアコンに縛られており、グリーと言えばエアコン、といった状態だった。よって以前は『いいエアコンはグリーから』などと言っていたが、今は『いい電器はグリーから』と言いたい」と述べている。

董社長は、エアコンや家電の製造といったこれまでの分野から脱却し、新たな成長先を求めなくてはいけないと言う。「今後は新エネルギー、スマート機器、コンデンサモーターの3分野を成長させていく」とのことである。

 「見込みは十分。問題は常にあるが、大変な時に粘り続けられる者が勝ち組となると思う」董社長はこう語っている。

(中国経済新聞)