米国東部時間5月28日午後6時頃、米国務省は公式声明を発表し、中国からの留学生に対するビザの「取り消し(revoke)」を開始すると明らかにした。今回の措置は、米国土安全保障省と連携して行われるもので、「重要分野」で学ぶ学生や、中国共産党とのつながりが疑われる学生を対象とするとしている。
同声明ではさらに、ビザ制度の規則そのものを見直し、中国本土および香港地区からのすべてのビザ申請に対して審査を強化するとしている。ただし、どの分野が「重要分野」に該当するのか、具体的に何人の留学生が影響を受けるのかといった詳細は明らかにされていない。
この声明発表後、アメリカのルビオ国務長官(Marco Rubio)は自身のSNSを通じて情報を確認した。彼は近年、中国との対立姿勢を強めており、教育や技術分野でも安全保障上のリスクに対する警戒感を強く示してきた。
背景としては、ここ数年にわたる米中関係の緊張の高まりがある。中国はかつてアメリカにとって最大の外国人留学生供給国であったが、現在はインドにその座を譲り、2位に転落している。米国教育機関で学ぶ中国人留学生の数は、2019年の約37万人から2024年には27.7万人へと減少した。
また、トランプ政権の影響が色濃く残る現政権下でも、留学生に対する規制は急速に強化されている。5月27日には、米メディア「Politico」などが報じたところによると、ルビオ長官が在外米国大使館・領事館に向けた電報を発信し、全世界で学生ビザの新規面接予約を一時停止するよう指示したことが明らかとなった。
この指示によれば、Fビザ(一般留学)、Mビザ(職業訓練)、Jビザ(交換留学・研究者)を対象に、新規の面接予約は一時中止される。ただし、すでに予約済みの面接については予定通り実施される予定である。
今後数日以内に、ビザ面接の新規受付が再開される見込みであり、米国務省から新たな通知が発出される予定だという。
今回の措置は、米国が国家安全保障を理由に中国との人材・学術交流にブレーキをかける動きの一環とみられ、米中間の教育・人材交流にさらなる影を落とすことが懸念される。
(中国経済新聞)