中国の半導体大手・中星微(VIMC:Vimicro International Corporation)は4月30日、福建省福州で行われた「第8回デジタル中国建設サミット」で、最新のAIチップ「星光智能5号」がDeepSeekの大規模言語モデル(LLM)「16B」を稼働させたと発表した。
自社開発したヘテロジニアス・マルチコアのアーキテクチャー「GP-XPU」を搭載したこのチップは、単体で汎用LLMと「全認識型」のマルチモーダルLLMを並行稼働することができ、CPU+GPUのアーキテクチャーと比べて稼働効率や即時性、コスパ、安全性などが大幅に向上する。

中星微によると、「星光智能5号」は、名刺ほどのサイズの処理パネルで複雑なシチュエーションでの動画のモニタリングや認識、フォローが可能であり、さらに自然言語処理、タスク計画、知識管理、自動制御といった機能も果たせるという。さらに8個をまとめて装着することで、「フルモデル」である671B仕様DeepSeekのLLMとビジュアルLLMの稼働に対応する。このチップは中国の工程をベースとした完全な自主制御型であり、都市の検知や製造、農業、交通などの智能化に対応し、さらには中国のデジタル化整備や新たな生産力の成長を促すものにもなる。
中星微の技術CEOである張韻東氏は「星光智能5号」について、「末端や非主流部分の知能化を後押しし、クラウド計算力の資源への依存度を大幅に軽減し、システム整備のコストを削減して、中国の実情に合ったAIの技術路線を探り出すものになる」と述べている。
(中国経済新聞)