杭州張小泉集団有限公司および関連企業である上海富春投資有限公司、張樟生、張国標などが新たに被執行人情報に追加され、執行対象額は31億3千万元(約646億円)を超えています。執行裁判所は浙江省杭州市中級人民法院です。この状況は、中国で有名なブランドである張小泉のハサミが破産寸前の危機に瀕していることを示しています。

張小泉集団の控股株主である富春控股集団は、過去数年間にわたり、本業であるハサミ製造とは無関係な分野(物流や不動産など)に多額の投資を行ってきました。この積極的な事業拡大は資金を大量に必要とし、結果として資金繰りが悪化しました。特に、不動産市場の低迷や投資失敗により、連帯保証責任を負うケースが増加し、債務が急増したと見られます。2025年3月時点で、張小泉集団の保有株式の99.9%が質権設定または凍結されており、債務不履行による融資の焦げ付き(本金5.1億元)や外部保証の未返済額(44.86億元)が明らかになっています。

張小泉集団および実質的な支配者は、関連企業(特に富春控股集団)のファクタリング融資や借入に対して繰り返し保証を提供してきました。例えば、2022年に富春控股の対外投資が失敗した際、連帯保証責任を負ったことで債務訴訟が多発し、2023年には上海城邦保理公司との2億元の融資に株式を担保として提供した結果、株式が凍結される事態に至りました。このような関連企業への過剰な依存とリスク負担が、張小泉集団自体の財務健全性を大きく損なった要因です。

張小泉は400年以上の歴史を持つ老舗ブランドですが、近年の市場競争の激化や消費者ニーズの変化に対応しきれていない可能性があります。伝統的なハサミ製造に依存する一方で、技術革新やブランドの現代化が不十分であった場合、新興競合他社にシェアを奪われるリスクが高まります。控股株主が本業以外の分野に注力したことで、経営資源が分散し、本業の強化が後回しになったことも考えられます。
中国経済全体が直面する不動産市場の低迷や消費の減速も、張小泉集団の危機を加速させた一因です。特に、不動産関連投資の失敗は資金回収の遅延や損失を招き、債務返済能力をさらに圧迫しました。加えて、2025年時点での企業破産件数の急増(2024年上半期だけで4万8100件以上)が示すように、厳しい経済環境が企業経営に与える負荷が背景にあると言えます。
(中国経済新聞)