ロイター:トランプ氏は、大統領に復帰直後、フェンタニル問題を理由に中国からの輸入品に対し追加関税策を講じた。ただその一方で、中国と良好な関係を築きたいとも述べている。中国は第一期トランプ政権と比較して、これからの4年間のトランプ政権との付き合いにはどのような違いが出るか。
王毅:相互尊重は国と国の関係の基本ルールであり、米中関係の重要な前提だ。 いかなる国も、中国を締め付けながら良好な関係を築けるなどと考えてはならない。 このような「二枚舌」のアプローチは、二国間関係の安定を損なうだけでなく、相互信頼を築くこともできない。
今言ったフェンタニルについて、まずはっきり言うが、中国は常に麻薬の密売や生産との闘いに断固として取り組み、現在世界で最も厳しく徹底した取り締まり策を講じている国である。2019年にはアメリカの要請に沿って世界に先駆けてすべてのフェンタニル系物質をリストアップした。そしてアメリカでのフェンタニルの氾濫は、アメリカ自身が対応し解決しなければならない問題だ。中国は人道的精神でアメリカにあらゆる協力を提供しており、恩を仇で返すべきでない。むやみな追加関税などは責任ある大国のやることではない。
「行ひて得ざる者は、反りて諸(これ)を己に求めよ」 。アメリカは、長年にわたる関税戦や貿易戦で何を得たのか。貿易赤字は拡大したか縮小したか。 製造業の競争力は上がったか、それとも下がったか。インフレは好転したか、それとも悪化したか。国民の暮らしは良くなったか、それとも悪くなったか。米中間の経済・貿易関係は相互で対等である。協力を選べば相互利益とウィンウィンとなり、ひたすら圧力をかければ中国は必ず断固として対抗する。
今日、世界最大の発展途上国と先進国である米中両国は、ともにこの星に存続することになるので、平和的に共存しなければならない。 習近平主席が今年初めのトランプ大統領との会談で指摘したように、対立や衝突は選択肢であってはならない。 米中両国は広範な共通の利益と広大な協力の余地を持ち、相互の成果や繁栄のためのパートナーとなりうる。
(中国経済新聞)