杭州市で「六小龍」企業が生まれた理由は

2025/02/26 13:26

2月17日、習近平国家主席が司会を務めた民間企業の創業者との座談会で、2人の若手に注目が集まった。ロボットを手掛けるユニツリー(宇樹科技)を立ち上げた1990年生まれで34歳の王興興(Wang XingXing)氏と、AI言語モデルのDeepSeek(深度求索)を立ち上げた1985年生まれで39歳の梁文鋒(Liang WenFeng)氏である。若手実業家における中国の代表格であり、2社とも新興産業の見本となっている。面白いことに2社とも、アリババのおひざ元である浙江省杭州市で誕生している。

DEEPSEEK のCEO梁文鋒氏

杭州にはこれら2社のほか、いずれも最近若手が立ち上げた「テクノロジーの新星」であるゲームサイエンス(游戯科学)、ブレインコ(強脳科技)、メニーコア(群核科技)、ディープロボティクス(雲深処科技)の4社が存在する。これらを合わせた6社に対し、ネットでは「杭州六小龍」と称され、「神秘のオリエンタルパワー」と見ている。

中国は春節を迎える中、人型ロボットが旧正月前夜の特別番組で登場したり、大規模言語モデル(LLM)が世界的な注目を集めたりするなど、新製品が続々と出現して「杭州六小龍」の名が中国全体に広まっていった。

「杭州六小龍」の登場について様々な考えや議論が湧いた上、「なぜ杭州で、世界で戦えるユニコーン企業が6社も生まれたのか。大手が群雄割拠するハイテクノロジーの世界で抜け出す存在になれたのはなぜか」との声も上がった。

DeepSeekは名を馳せながらも引き続き静かな状態で、建物の外にもホールにも会社のロゴが見当たらない。同じ建物内で別の会社に勤務する社員で、その存在に気づかない人もいる。

市場シェアが世界の60%を占めるロボット会社のユニツリーは、春節前のCCTV特別番組で、16台の人型ロボットがハンカチを手に田植え踊りを披露したことで注目を浴びた。ただ会社自体は古いサイエンスパークに位置し、誰かに聞かないと所在地が分かりにくい。

BMI(ブレイン・マシン・インターフェース)業界のリーダーで、杭州AIタウンにひっそり存在している「ブレインコ」は、ペンを持って紙に自由にしっかりした字が書けるロボットハンドを開発した。また、力強く歩くことができる義足も開発しており、ズボンをたくし上げなければ健常者と見まがえてしまうほどである。

ブレインコは2015年にアメリカで設立され、2018年に杭州に移転した。創業から10年で、BMIの世界では全世界の融資額や研究開発費用がマスク氏のNeuralinkと並ぶ存在になっている。

また「メニーコア」は、インテリアデザインから手掛け始めたスマート設計の実行者であり、現在は、3Dのやり取り可能な室内場面を識別する膨大なライブラリーを形成しており、ロボットなどに対しバーチャル空間における学習内容を提供している。

ゲームサイエンスは2014年設立で、中国の神話を背景にしたアクションRPG「黒神話:悟空」や、三国時代を背景にヒーローや歴史上の出来事を再現したゲーム「百将行」などを生み出した。中国初の3Aゲームとなった「黒神話:悟空」は杭州市西湖区の象山芸術公社で誕生し、半年間で11 億ドル以上の売上高を記録した。

ディープロボティクスは、足つきロボットを開発するイノベーション型企業として2017年に設立された。運動能力や環境適応性など様々な項目で世界の先端を行く、中国初となる産業級の4足歩行ロボットを開発し、単独で変電所のパトロールをさせている。

 「六小龍」が、杭州で誕生した理由は何か。

著名な投資家の鄭華良氏は、「ほぼ偶然だろうが、必然性も存在している」と言い、杭州市について以下三つの特長を挙げた。

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