新華社の報道によると、中国南部の水を北部に送る「南水北調」プロジェクト東ルートの北延伸区間応急給水プロジェクトは２月１０日、２０２４～２５年度の送水計画実施を開始した。計画によると、黄河以北の地域へ１億５１０００万立方メートルを送水する予定。
華北地域は中国で水資源不足が最も深刻な地域の一つ。応急給水プロジェクトでは１億５１００万立方メートルのうち、河北省と天津市に１億２６００万立方メートルを送水する計画で、受水地域は河北省の滄州市と衡水市、天津市の静海区となっている。
プロジェクトを運営する中国南水北調集団東線の担当者によると、同プロジェクトは北方地域への送水を拡大し、華北地域における地下水の過剰なくみ上げを抑制するとともに、現地の河川や湖沼の生態系復旧を推し進め、京杭大運河の全線通水を目指す補水目標を実現し、天津、河北などの水の安全保障能力を高めるという。
統計によると、同プロジェクトはここ数年の間に、黄河以北の地域へ合計８億２５００万リットルメートルの送水を実施した。うち京杭大運河に５億７１００万リットルメートルを送水、沿線地域の生態系の水不足を改善し、華北地域の地下水過剰くみ上げ総合対策と大運河全線通水を推進している。
（中国経済新聞）