米バイデン政権、中国のレガシー半導体へ通商法301条調査を開始

2024/12/29 14:30

アメリカ通商代表部(USTR)は12月23日夜、バイデン大統領の退任を前に、中国のレガシー半導体について通商法301条に基づく調査を始めた。国内経済への影響を検証することが狙いである。

アメリカ政府によると、今回の調査の主対象は中国のレガシー半導体産業(28nm以上)で、国防、自動車、医療、航空宇宙、通信、電力網など末端側における利用状況を審査するという。USTRは12月23日に調査を開始し、2025年1月6日から2月24日までパブリックコメントや公聴会の参加申し込みを受け付け、2025年3月11日から3月12日に公聴会を開催する。

USTRは、「向こう3年ないし5年間で、レガシー半導体における世界の新規製造能力のうち中国の分がほぼ半分となり、サプライチェーンの依存度が生じる見込み」と表明している。USTRは2024年9月、2025年に中国から輸入する半導体の関税率を現在の25%から50%に引き上げると発表している。

アメリカ商務省産業安全保障局(BIS)が12月7日に発表したレガシー半導体の利用レポートによると、末端メーカー側で半導体サプライチェーンの知見が浅く、製品に利用する半導体が中国のウェハー受託メーカーのものであるか確認できないという会社がおよそ半分という。また、各社の製品のうち中国で製造された可能性のある半導体が3分の2以上とのことであるが、その割合は数量計算ではおよそ2.8%とさほど多くなく、価値にして1.3%程度という。またレポートでは、中国の生産拡大によりアメリカの半導体メーカーが価格面で劣勢となり競争力を失うと表明している。

中国は、2023年の半導体輸出額が1363億ドル(約21.45兆円)であった。また中国税関総署によると、今年の集積回路輸出額は11月末現在で前年同期比20.3%増の1.03兆元(約162兆円)で、初めて1兆元(約157兆円)の大台を突破している。

(中国経済新聞)