カナダ政府は現地時間5月19日、中国企業のファーウェイとZTEの製品やサービスについて、通信システムでの使用を禁止すると発表した。すでに利用している会社に対しても、使用を中止し機器を外すよう求めている。
カナダのChampagne革新・科学・産業大臣は、安全部門の評価や同盟国との協議の結果、こうした決定に至ったと話した。
地元のテレビによると、ファーウェイとZTEの4Gまたは5Gの機器やサービスについてカナダ政府は、2022年9月までに新規の購入を終了、2024年6月までに新規分の使用を終了し、2027年12月までに既存分まで使用を中止するよう、通信事業者に求めている。さらに「通信法」について、通信システムにおける金融や通信、エネルギー、運輸部門で、国の安全を避けるための策を講じることを支持する内容を盛り込んだ修正案を「短期間」で提出する、とも表明している。
カナダは、アメリカを初めとする機密情報共有の枠組み「ファイブアイズ」のうち、最後に5G整備でファーウェイの使用を禁止することになった。アメリカは2019年5月、各社に対しファーウェイとZTEの5G関連製品の購入を禁止する大統領令を下しており、オーストラリアとニュージーランド(2018年)、およびイギリスとスイス(2020年)も同じく購入禁止令を下している。
ファーウェイは、2008年3月にカナダに現地法人を発足し、同年10月に現地の通信大手であるTelusとベル・カナダ(Bell Canada)より、無線ネットワークの更新に関する機器の受注を得ている。
一方ZTEは、2005年3月にカナダに現地法人を設け、携帯電話や通信機器でTelusと10年以上提携をしている。2022年3月には、Telusとともに家庭用の5Gゲートウェイ機器Connect-Hub 5G™を開発している。
今回の件について中国商務省は20日、「カナダ政府は確実な証拠をつかまない状態で、『国の安全』を理由に中国企業に禁止令を下した。これは誤った決定であり、強く反対する。こうした策は市場経済の原則や自由貿易のルールに違反し、両国の企業の利益を損ね、また企業同士の提携関係に支障をきたし、両国の経済関係に悪影響を生むものだ。中国は、企業への影響を評価したうえで、あらゆる手段を講じる権利を有する」と表明した。
(中国経済新聞)