12月8日午後、福建省泉州市恵安県泉州台商投資区の塗秀エリアで、芸術家の蔡国強氏の演出による昼間の花火ショー「紅帆」が行われた。泉州湾の上空で多くのドローンにより泉州の歴史や伝統文化、女性が描かれるもので、動画アプリのTiktokで完全生配信された。花火が見事に咲き乱れた壮大な光景であったが、第2部の「かんざし」に入った際、強風による電波の乱れで600台のドローンが次々と海や陸に落下した。この模様を捉えた動画が大量にツイートされ、関心を集めた。
ドローンは耐風性能がおおむね風力5未満であるが、この日は海上の風力が7~8とのの気象情報が発表されており、厳しい条件となった。蔡氏は、主催者側やドローンなどのメーカーと繰り返し協議した末、予定通りショーを行うと決定した。ただし「見栄えは当初の予定よりはるかに劣るだろう」とも述べていた。花火ショーは予定通り、12月8日午後4時35分に始まった。
第2部「かんざし」が始まり、第1部でショーを終えたばかりのドローン2000台が帰還する際、まるで雨が降るように次々と墜落する悲劇が発生した。この様子を芸術家も観客も目の当たりにした。900台のドローンで4本の「かんざし」や「光の輪」を描く予定が失敗したのである。
公開情報によると、このドローンショーを実行したのは「一飛智控(天津)科技」で、今回の件については「詳しい内容についてコメントを控える」としている。ショーで使われるドローンは市場価格およそ1万元(約21万円)とのことで、今回海に落ちたのは少なくとも600台と見られ、損失額は600万元(約1.25億円)に達する見込みである。
蔡氏は1957年福建省泉州市生まれ、1981~1985年に上海戯劇学院の舞台美術学科に在籍し学士を取得、1986年~1995年に日本に滞在し、1995年からアメリカのニューヨークに在住している。1980年代半ばから、中国で発明された火薬による創作を始め、ここ数年は中国人として国際舞台で特に注目される人物となっている。西側諸国の芸術界にもかなりインパクトを与えており、「蔡旋風」などとも呼ばれている。
(中国経済新聞)