湖南省地質院はこのほど、同省岳陽市平江県万古で40本以上の金の鉱脈を発見したと発表した。中心エリアでの獲得資源量は累計300.2トンで、地下3000メートル以上のところに1000トン以上が埋蔵しており、資産価値にして6000億元(約12.36兆円)にのぼる見通しという。国外のメディアからも関心が寄せられている。
ロイター通信社は今回、湖南省地質院からの公式発表の当日に、中国は金の生産量が世界の10%以上となり世界最大の生産国となっているとの関連報道をした。中国黄金協会によると、2024年1~9月の生産量は268.068トンで、消費量はそれを大きく上回る741.732トンであり、アクセサリーや工業用途などの需要を満たすべくオーストラリアや南アフリカなどからの輸入に依存しているという。
「ニューヨーク・ポスト」によると、これまで南アフリカの「サウスディープ金鉱山」が埋蔵量930トン以上で世界最大の鉱脈と見られていたが、今回、これを上回る1000トン以上の埋蔵量が発見された中国の万古金鉱がトップに立つことになると報道している。
またインドの新聞社「タイムズオブインディア」は、中国政府はかねてから鉱山の調査への投資を増やしており、今回の万古での金鉱脈発見はある種の「必然的な成果」で、これから様々な課題に対処する上でプラスになるものと見ている。世界的に情勢が目まぐるしく変化し経済成長も伸び悩む中、中国は通貨や物価、貿易における様々な問題によりよく対応するためにかねてから金の備蓄に努めているという。石油やレアアース、その他重要な資源でも同じような取り組みをしており、備蓄量を増やすことで輸入依存度を引き下げている。
湖南省地質災害調査監測所地質勘査一院の呉俊院長は、「万古の金鉱脈は埋蔵量も多い上に採掘や選鉱もさほど困難ではなく、採りやすい鉱脈と言える。金の採掘はかなりのコストが必要で、資源の効率的な利用に向けて適切な採掘量を定めなくてはならない。今後5年間は年に5トン程度が適切だと見られる」と述べている。
(中国経済新聞)