11月11日、湖南省の瀋暁明書記は、張家界市で経済や社会の成長具合を視察した上で会合を開き、「世界的な観光地への整備を急ぐ」と強調した。視察で訪れた永定区の大庸古城は、およそ25億元(約538億円)をかけて造られたが、開業から3年余りで累計5億元(約108億円)以上の赤字を出した。今年上半期の入場券販売数はわずか2300人分で、1日あたり20人以下という状態である。
中国はこのところ各地で行楽客が増加している。2024年上半期のサンプリング調査によると、国内旅行に出かけた人の数は前年同期比14.3%増ののべ27.25億人で、行楽の支出額は同じく19%増の2.73兆元(約58.76兆円)であった。このうち張家界市は国内外から訪れた人の数が9.28%増ののべ2064.47万人で、観光収入は14.29%増の288.79億元(約6215億円)であった。このような盛況の中で、大庸古城は閑古鳥が鳴いている。
張家界市の中心部は以前「大庸」と呼ばれており、1994年に国務院の認可を経て現名称に変更された。このような歴史のIPを巡って、現地では約25億元(約538億円)をかけて「大庸古城」事業を立ち上げ、「張家界全体で最もお金をかけた都市観光プロジェクト」とした。
当初の予想では、完成後は年間売上高を4.85億元(約104億円)、純利益を1.85億元(約39.8億円)と見込んでいた。しかし2021年6月のオープンから赤字が続き、2021年~2023年の年間赤字額は8366.29万元(約18億円)、1.51億元(約32.5億円)、2.49億元(約53.6億円)と増える一方である。市の観光組織が今年8月26日に発表した2024年上半期の決算によると、入場券の販売数は前年同期より81.89%少ない0.23万人である。これを受け、事業立て直しの手続きが始まっている。
(中国経済新聞)