中国教育省が発表した2023年の教育事業に関するコミュニケによると、全国の幼稚園の数は27.44万か所で、前の年に比べて14808か所、率にして5.12%減った。在園児の数は4092.98万人で、同じく前年より534.57万人、率にして11.55%減っている。幼稚園の数は2022年からの2年間で20418か所減ったことになり、園児の数は3年連続での減少となった。
このところ出生数が減っている中国は、幼稚園に通う年齢層の数も減っている。出生数の推移を見ると、一人っ子政策の緩和を受けて2016年は1883万人、2017年も1700万人を超えていたが、2018年はその効果が薄れて1523万人に減り、2023年には902万人にまで減っている。
園児の数が年々減っていることから、幼稚園を老人ホームに転用する動きが見えている。浙江省金華で25年前に開園したある幼稚園は去年、「コミュニティー老人ホーム」に改築された。また広東省深セン、山西省太原、山東省済南などでも、こうした動きや「幼老複合施設」の設置が進んでいる。
出生率が減りゆく一方で、2023年末時点における60歳以上のお年寄りの数は前年より1693万人増えて2億9697万人で、全人口の21.1%を占めるに至り、今年は3億人の大台に達すると見られている。高齢化社会となった今、コミュニティー老人ホームが新たに脚光を浴びており、老人ホームと託児所を一体化した複合施設の開発を模索する動きが各地で進んでいる。
(中国経済新聞)