アリババ、660億円を支払って和解

2024/10/30 11:30

10月26日、中国の電子商取引(EC)大手アリババ集団は、アメリカでの株主集団訴訟の和解金として4.335億ドル(約659億円)を支払うことで合意したと発表した。賠償金の請求における正当な理由を認めたりするものではなく、自社の過失や責任、不正行為または損害との指摘を否定し、和解について、訴訟の継続に伴う費用増や混乱を避けるためと表明している。

アリババは2020年11月から2021年1月にかけて、中国の市場監督管理総局から独禁法違反の疑いで調査を受けていたことから、アメリカの一部投資家がニューヨーク南地区裁判所に対し、アリババがリスク情報を適時に開示しなかったことで損失を被ったとして合同で提訴した。調停を繰り返した結果、和解に至ったとのことである。

今回の和解で、2019年11月13日から2020年12月23日までにアリババのアメリカ預託株式を取得して損失を受けた投資家からの請求問題が解決に至ったものと見られている。原告の弁護士は法庭で、この和解を「卓越した結果」と表現した。賠償金額が証券集団訴訟の中央値である100億ドル(約1.53兆円)以上を大きく上回っていると裁判所の文書で述べている。弁護士は、「訴訟が継続していた場合、アリババの投資家は最高で116.3億ドル(約1.783兆円)を獲得すると思われる」と強調している。

2021年4月10日、中国市場監管総局はアリババに対し、「独占禁止法」違反としては中国で過去最高額となる182.28億元(約3920億円)の制裁金を支払うよう命じた。当局によると、「アリババは国内ネットワーク販売アプリサービス市場における支配的な地位を乱用し、アプリ内の各社に対し他のアプリでの出店を禁止または制限して、市場競争を阻止し、各社の合法的な権益を侵害し消費者の利益を損ねた」とのことである。その後アリババは、当局側の要望に基づき3年間にわたる業務改善措置を実施しており、2024年8月30日に当局側が「3年間の改善を終え、良好な成果を挙げた」と発表している。

(中国経済新聞)