テンセント、今年に入り自社株1.7兆円超を買い戻し すべて消却方式で

2024/10/10 18:14

香港証券取引所の公開情報によると、中国のネットサービス大手「騰訊控股」(テンセント)は、今年の株の買い戻し額が10月8日の終値の時点で890億香港ドル(約1.7兆円)以上となっている。同社は今年、買い戻し額を2023年の490億香港ドル(9381億円)から1000億香港ドル(約1.9兆円)以上に増やす計画を発表している。

中国の金融情報サービス「Wind」によると、香港証取に上場している会社のうち、1月~9月にテンセントも含めて計239社が買い戻しをしており、買い戻し総額は合計2000億香港ドル(約3.83兆円)以上となっている。

テンセントの買い戻し額は、第3四半期が359億香港ドル(約6873億円)で、1月~9月の合計は882.6億香港ドル(約1.69兆円)であり、株数は2.5億株である。よって、今年の香港上場社における全買い戻し額のうちテンセントが4割以上を占めることになる。

テンセントは10月8日、7億香港ドル(約134億円)以上をかけて156万株を買い戻した。1株当たりの値段を見ると、第2四半期は361.8香港ドル(約6927円)、第3四半期は378.4香港ドル(約7245円)である。また年ごとの買い戻し総額は、2021年が26億香港ドル(約498億円)、2022年が338億香港ドル(約6473億円)、2023年が494億香港ドル(約946億円)となっている。

テンセントは「株式消却方式」(株を買い戻すとともに消滅させること)を採用しており、今年10月8日時点での自己資本は2021年末の96.1億株から3.3億株減って92.8億株となっている。

これと並行して、テンセントの主要株主による株売却も進んでいる。2022年半ばには、ProsusとNaspersがそれぞれ一般株向けに買い戻し計画を打ち出し、この資金を集めるためにテンセントの株を売り出すと決定した。2023年末には南アフリカのNaspers Limitedが、Prosusが支配するMIH Internet Holdings B.V.を通じて保有するテンセント株を2.1億株売って23.67億株とし、持ち株率が2022年末の26.93%から24.96%に減った。さらにProsusが今年第2四半期に3740万株、第3四半期に3160万株を売却しており、テンセントへの持ち株率は6月末が24.4%、9月末が24.2%となっている。なお第3四半期におけるテンセントの買い戻し株数は、Prosusの売却分の3倍以上である。

(中国経済新聞)