山西省隰県の小西天、ゲーム「黒神話:悟空」のヒットを受けて観光客が殺到

2024/10/10 11:30

山西省臨汾市隰(しつ)県にある小西天は、トリプルAクラスの中国製ゲーム「黒神話:悟空」のヒットを受けて観光客が殺到している。

現地のサービスセンターによると、国慶節の大型連休は連日のべ1万人以上が訪れたという。受け入れのために県を挙げて最大限努力したものの、観光業について日の浅い山間部の農業県である故、まだまだ至らぬ点があったと表明している。

このサービスセンターは10月7日、「観光客の皆様へのお礼のメッセージ」として、「皆様方『天命人』が『小西天』に親しみ、理解し受け入れてくれたことに感激している」と発表した。

また地元では、この日から年末まで、今年の中秋節連休か国慶節連休にチケットを購入し観光に訪れた人は、そのチケットを提示すれば無料で再度の入場がOK、と決定している。

豪華絢爛な像の造りで知られている寺の小西天には、1900体以上の像が折り重なるように本堂に収蔵されている。大きさは3メートルから手の指程度と様々で、どれもが精巧かつ如実に作られ、「懸塑芸術博物館」とも呼ばれている。

小西天はさほど広いところではなく、見どころである本堂は169.6平方メートル程度であるが、連日にわたり数千人が見学に訪れ、多い時には1万人を超えた。その一方で、この小さな地方都市はにわかなブームに嬉しい悲鳴をあげている。

隰県の呂学慧副県長は、「駐車場はそれまでの100台分から500台近く停められるよう拡大し、300人のボランティアを出口と入口と本殿に交代で配置して訪問者を案内している」と語った。

このようなブームで、難読字である「隰」が多くの人に知られるようになった一方で、ガイドの数も足りなくなってしまった。多い時には1日に1万人以上が訪れたが、説明のできるガイドはわずか12人で、急に増やすわけにもいかなかった。この夏は見学者が詰めかけて説明係が急遽必要となったことで、夜間にガイド養成のためのセミナーを実施したという。

(中国経済新聞)