奈良公園で中国人観光客がペットボトルでシカを叩いていたのを止めさせ、「日本から出てけ」などと叫んだあるユーチューバーの動画が配信された。しかしこれに対してネットでは、「わざと言いがかりをつけた」「中国人観光客は乱暴はしていない」との声が上がり、「まったく日本の恥だ」「外国人差別を利用しての小銭稼ぎ」などというコメントまで出ている。

9月30日に配信されたこの動画を見ると、中国人夫婦とみられる男女や子供が映っており、ユーチューバーが「この女がペットボトルでシカを叩いたので注意したら逆ギレされた。俺は奈良公園のシカを本気で守りたい」と主張している。しかし問題の動画には、女性がシカを叩くような場面はなく、ユーチューバーが「日本から出てけ！」と叫んでいたに過ぎなかった。

この動画はたちまち逆襲に遭い、夫婦と知り合いだというネットユーザーによると、「夫婦は観光客ではなく永住者だ」という。また当時の状況について、「女性はシカせんべいを持って食べさせていた。シカは食べた後も残ったせんべいに目をつけて追いかけてきた。女性は恐くなり、持っていたペットボトルで鹿の頭をふさいだ。そこへユーチューバーが突然現れ、カメラを持ってヒステリックにわめき散らし、女性を非難した」と主張している。

このユーチューバーは「原田将太」という迷惑系のブロガーであり、社会に迷惑となる行為でアクセス数を稼ぎ、広告費を手に入れている。以前に窃盗や威力業務妨害の罪で懲役1年6カ月、執行猶予4年の有罪判決を受けるなど、悪行を繰り返している。

「原田将太」は今年7月から奈良公園に頻繁に姿を見せ、中国人観光客を非難している。8月末には「中国人観光客がシカを蹴った」との動画を配信したが、実際にはつま先をシカの足につけていただけだった。

「原田将太」はメンバーとともに中国人観光客を常に狙い、迷惑な行為を見かけたらハチの巣を突くように飛び出してわめき散らし、相手が謝るまで執拗にからみ、その様子を撮影した動画を後に配信して収入を手にするという活動を3か月以上も続けている。

(中国経済新聞)