中国初のバイオエコノミー5カ年計画を発表

2022/05/18 12:14

中国国家発展改革委員会は5月10日に「第14次五カ年計画バイオエコノミー発展計画」を発表した。これは中国で初めて打ち出されたバイオエコノミーに関する5カ年計画であり、バイオエコノミー発展における具体的な任務を明確にしたものだ。

同計画は、バイオエコノミーを大きく強くするために努力し、2025年をめどにこれを質の高い発展を推進する強靱な原動力にすることを目指すと明確に示した。

バイオエコノミーとは、生命科学、バイオテクノロジーの発展・進歩、普及・応用を基礎とした新しい経済の形態で、国民経済の重要な構成部分でもある。

全体的に言えば、バイオテクノロジーを運用して各種のバイオマス(生物資源)を開発・利用することはいずれもバイオエコノミーの範疇に入り、具体的には肉類・家禽類・卵類・乳製品、穀物、野菜、食用キノコなど、亜麻や生糸などの材料で作られた衣類、遠隔診断に用いられるスマートウェアラブル製品などが含まれる。

同計画は5つの重要発展任務を明確にした。(1)バイオエコノミーのイノベーションの基礎固めに力を入れる(2)バイオエコノミーの基幹産業を育成し大きく発展させる(3)バイオマス(生物資源)の保護と利用を積極的に推進する(4)バイオセーフティー保障システムの構築を加速する(5)バイオ分野の政策環境の最適化に努力する。

具体的に次の内容を打ち出した。

(1)「病気の治療が中心」から「健康が中心」へと転換する新たなトレンドに従って、国民のヘルスケアのためのバイオ医薬品を発展させる。遺伝子検査、バイオ遺伝学などの先進技術と疾病の予防との深いレベルでの融合を推進し、ワクチンの研究開発製造技術の世代交代と高度化を加速させ、疾病の早期発見・予防をサポートする。バイオテクノロジーと精密機械、新型材料、付加製造などの最先端技術との融合・イノベーションを推進し、疾病の診断能力を向上させる。ゲノムの編集、マイクロ流体チップ、細胞の自動培養などの先端技術とバイオ医薬品の研究開発との融合を推進し、臨床医療の水準を引き上げる。

(2)「衣食問題の解決」から「栄養と多様化」へと転換する新たなトレンドに従って、農業現代化のためのバイオ農業を発展させる。全ゲノムシーケンシング、システム生物学、人工知能(AI)などの生物育種技術を秩序よく発展させ、穀物などの重要な農産物の生産力と品質を高める。グリーン農業を発展させ、最先端のバイオテクノロジーが農業分野に融合するよう促進し、中国の農業生産の効率を高める。

(3)「生産能力と生産効率の追求」から「生態環境の優先を堅持」へと転換する新たなトレンドに従って、グリーン・低炭素のためのバイオマスによる代替・応用を発展させる。高性能の生物由来環境保護材料と生物学的製剤、機能型微生物、酵素製剤を発展させ、環境保護と汚染対策をサポートする。新型のバイオマスエネルギー技術の研究開発と育成を展開し、化石エネルギーからグリーン・低炭素・再生可能エネルギーへの転換を推進する。

(4)「受け身の防御」から「主体的な保障」へと転換する新たなトレンドに従って、国のバイオセーフティーのリスク対策・ガバナンス体制の構築を強化する。AI技術、生物医学、健康のビッグデータ資源を活用して、スマート化された決定サポートによるナレッジモデリングとアルゴリズムを発展させ、個性化した新薬の研究開発をサポートする。5G、ブロックチェーン、モノのインターネット(IoT)などの先端技術を利用して、医薬品・ワクチンの製造から使用に至る全ライフサイクルの管理を実現する。

人民日報の報道によると、ここ数年、中国のバイオ分野が人気の投資先になり、ハイテク企業向けの株式市場「科創板」に上場する企業の中でバイオ関連が3分の1に達した。第13次五カ年計画期間(2016-20年)には、一定規模以上の医薬品企業(年売上高2000万元以上の企業)の研究開発投資年平均増加率は約8%だった。また、バイオ製造の規模がさらに拡大し、現代のバイオ技術を駆使した発酵製品で中国は世界シェアの70%以上を占めている。

これからの5年間で、バイオエコノミーは注目分野になるだろう。

(中国経済新聞)