蘭州大学、大学院生の数が学部生を上回る

2024/09/19 12:05

甘粛省の蘭州大学は先ごろ、2024年は大学院生の数が学部生を上回っていると発表した。このところ大学院での募集人員を年々拡大していて、2019年以降は学部の募集数を上回っているという。

今年の9月初めに浙江工業大学が、大学院の新入生が初めて学部生を上回ったと発表し、話題となった。大学側が発表した2024年の入学データによると、学部5342人に対して大学院が5382人と、初めて1:1を超えた。2023年は学部が5231人、大学院が5214人で、比率は1:1.003であった。

また去年は、「北京で修士・博士課程修了者が初めて学部卒を超過」との情報がSNSで話題となった。北京市教育委員会の「2022-2023学年度の北京教育事業発展統計概況」によると、2023年の全日制大学の卒業者数はおよそ29.6万人で、このうち大学院卒が16万人余りで学部卒より3万人以上多くなっている。

名門校の多い上海も似たような状況である。同済大学は2023年、学部卒業生が約4400人で修士および博士課程の卒業者は約6500人、上海外国語大学は同じく全卒業生約3200人のうち修士、博士課程が約1700人である。また2022年は、上海交通大学は学部卒業生が3928人で大学院卒が6422人、華東師範大学は全日制の学部卒が3485人、大学院卒が4139人であった。上海では、2021年の段階で大学院卒業者が学部卒を上回る大学が1/3近くに達していた。

このような「逆転現象」は、地方でもかなり一般化している。中山大学は2021度の卒業生が13779人で、内訳は学部卒が49.24%、修士卒が42.43%、博士卒が8.33%であった。また南京大学は2022度の卒業生9563人のうち学部卒は33.01%にとどまっている。西安交通大学は2022年度、大学院卒の割合が54.33%となっている。

同済大学教育評価センターの樊秀娣主任はこうした傾向について、世の中の流れに伴う必然的な結果だと見ている。今は大学院卒が求められる傾向が強まり、社会全体でも大学院進学への機運が高まっているという。また、世帯で可処分所得が増えている上、中国は元々教育を重んじる国であることから、各家庭で財産を教育につぎ込むようになって、大学院へ進学する可能性が高まっているという。

(中国経済新聞)