台湾で大学4校が閉校

2024/09/17 13:30

台湾で、大学が相次ぎ閉校している。新入生募集難や資金不足などの影響で、明道大学、東方設計大学、環球科技大学、大同技術学院の4校が8月1日に一斉に閉校となり、私立大学労働組合は「教育史上初めて」と称している。合わせて400人あまりの正規教職員はすべて解雇または定年退職となり、900人近い学生は他大学に編入され、地元の商業施設も完全に頭を抱えている。

台湾のメディアによると、これら4校はみな新入生が集まらず、資金繰りも苦しかったという。明道大学は全盛期、学生数が1万人に近かったが、資金不足で教職員の給与未納額が4000万台湾元(約1.76億円)近くに及んでいた。また創立60年の大同技術学院は、同じく資金不足が原因で閉校となってしまった。

明道大学のキャンパス

台湾はすでに2023年、首府大学、中州科技大学が新入生を集められなくなって、閉校となる見込みである。先ごろ発表された大学の入学試験の成績結果によると、今年に入学した学生の数は前年より約12.3%減って約3.73万人で、ここ3年間で最も少なかった。2024年の入学率はさらに下回る見込みである。

大学がなくなることで、近くにある店も続々と閉店しているという。地元メディアによると、彰化県北闘鎮の中華路は主な商売相手が明道大学の学生で、最盛期には鍋物料理やステーキの店、カフェなどが並んでいて、「黄金地帯」と言われていた。しかし大学が閉校となってずらりとシャッターが下ろされてしまい、一部はさび付いている。譲渡または賃貸に出すという店が少なくとも20軒に達している。学生寮などの入居者募集広告ももはや色があせている。

こうした台湾私立大学の「大規模撤退」や「閉校ラッシュ」について、現地の教育関係者は、少子化に歯止めがかからない上に大学の運営レベルもまちまちで、大卒の価値が薄れているなどとの問題を抱え、学校経営は苦しくなる一方と見ている。

また、この流れはじきに高校や高等職業技術校にも及んでいく。台湾では2024年、高校、高等職業技術校の新入生が20万人を切っており、先ごろの台湾私立校労働組合によると、向こう3年間で40~50校が閉校する見込みという。

地元の教育関係者はこのような事態を前に、大学経営のあり方を見直して、崩壊寸前となっている高等教育体系を救うようにと呼びかけている。

(中国経済新聞)