飛び込み金メダリスト・全紅嬋選手の「お魚サンダル」が人気 オリンピックをビジネスに生かす策は?

2024/08/9 18:30

7月31日、パリオリンピックの飛び込み女子10メートルシンクロで、中国の全紅嬋、陳芋汐選手のペアが金メダルを獲得した。この中で、全選手が履いていた1足10~40元(約204~818円)という「お魚サンダル」が注目を浴び、瞬く間にヒット商品となって、ネットでの「チャンピオン商品」に数えられている。

この夏はオリンピックチャンピオンの「商品宣伝力」が抜群に示されており、タオバオによるとこのサンダルは全選手が披露した後の8月1日、検索数が前日より6267%も増えている。

このほか、鄭欽文(テニス)、樊振東(卓球)、潘展楽(競泳)の各選手が身に着けたものもセールス好調である。Tmallによると、鄭選手が金メダルを獲得したのち、ウィルソン(Wilson)のフラグシップ店で扱う「鄭選手同一品」のラケット「V14」が、48時間で4万人以上のアクセスを受け、3000人以上が購入した。取引量は前年比2000%以上となり、瞬く間にテニス関連商品のTOP1に立った。また「樊選手同一品」の卓球ラケットのぬいぐるみ「Jellycat」も、Tmall Globalでのここ2週間の取引数が1425%増となった。さらにTmallSpeedのフラグシップ店によると、「潘選手同一品」という競泳用ゴーグルは閲覧数が100%以上増え、取引が150%近く増えたという。

全紅嬋選手の履いていた「お魚サンダル」が注目を浴び

オリンピック人気にあやかった商品の販売も好調である。拼多多のフラグシップ店「天中金」は、開幕1週間前にオリンピックイメージが刻まれた入った金の延べ棒を発売した。開幕当初の売れ行きは今一つだったが、大きな試合や有名選手の金メダル獲得のあとで販売量が増加した。販売元の営業責任者である岳昊陽氏によると、この延べ棒の販売は2024年1月に発案したものという。重さは10グラムで売値が5760元(約11.8万円)、エッフェル塔やバドミントン、卓球などが刻まれた品種がある。30歳-40歳の男性を中心に多い時には1日で数百枚売れ、同タイプの他の商品を圧倒しているという。

この商品を用意した理由について岳氏は、「金は原料としても極めて価値があり、たとえ商品として売れなくても加工用となり、せいぜい加工やデザインにお金がかかるくらいだ」と述べている。ぬいぐるみやアパレル品などはそうもいかないが、それでも金の延べ棒と同じく何度も品の補充をしている。ただし買い占めに備えて、必要時に早期生産できるよう多くの加工先を押さえておかなくてはならない。

(中国経済新聞)