中国、育児補助金に約2.2兆円投入 少子化対策を強化

2026/06/2 18:00

中国財政部は6月2日、2026年の育児補助金制度を支援するため、各地方政府向けに999億元(約2兆2000億円、1元=約22円換算)の補助金を交付したと発表した。前年より10.6%増加しており、年間では各級政府による育児補助金関連予算が約1100億元(約2兆4200億円)に達する見通しだ。

中国では2025年に全国統一の育児補助金制度が初めて導入され、3歳未満の乳幼児を対象に、1人当たり月額300元(約6600円)、年間3600元(約7万9200円)の補助金が支給されている。

補助金財源の約9割は中央財政が負担し、残る約1割を地方政府が負担する仕組みとなっている。2026年についても、中央財政が約1000億元(約2兆2000億円)、地方財政が約100億元(約2200億円)を拠出する見込みだ。

中央政府は制度の円滑な実施を図るため、2025年末の段階で2026年度予算の一部を前倒しで地方に配分していた。今年1月5日から全国で補助金の申請受付が始まり、各地の衛生健康当局が審査・支給業務を担当している。

関連規定では、育児補助金は原則として四半期ごとに少なくとも1回支給することが求められている。前四半期に承認された申請については、当該四半期末までに支給を完了しなければならない。

そのため、6月末は今年最初の大規模支給時期となる見通しだ。例えば、一部地域では1月に申請が認可された家庭に対し、6月30日までに補助金を支給する方針を示している。今回の999億元の追加配分は、こうした支給を確実に実施するための財源確保が目的とされる。

育児補助金の支出拡大は財政統計にも表れている。財政部によると、今年1〜4月の全国一般公共予算における医療・衛生関連支出は8310億元(約18兆2800億円)となり、前年同期比11.4%増加した。全体の財政支出増加率である1.3%を大きく上回っており、育児補助金の支給が増加要因の一つとみられている。

補助金の配分額は各省の0〜3歳児人口を基準に決定される。2026年に中央財政から31省・自治区・直轄市へ配分される予算999.3億元(約2兆2000億円)のうち、すでに843.9億元(約1兆8600億円)が地域別に配分済みで、残る155.4億元(約3400億円)は今後の申請状況に応じて追加配分される予定だ。

地域別では、広東省が80.81億元(約1778億円)で全国最多となり、河南省の70.64億元(約1554億円)、四川省の60.14億元(約1323億円)が続いた。上位3省の顔ぶれは前年と変わっていない。

財政部は今後も国家衛生健康委員会と連携し、育児補助金制度の運営を進める方針を示している。資金管理や監督体制を強化し、子育て世帯の経済的負担を軽減することで、出産・子育てしやすい社会環境の整備を目指すとしている。

2026年度の中央財政予算では、制度運営の目標として、補助金の実際の支給率90%以上、四半期ごとの定期支給、制度認知度90%以上、受給者満足度90%以上などが掲げられた。中国政府は育児支援策を通じて少子化への対応を強化し、「出産に優しい社会」の構築を進める考えだ。

(中国経済新聞)