映画「抓娃娃」(Zhua Wa Wa)、マー・リーが中国映画界初の200億元(約4358億円)女優に

2024/07/17 07:30

中国で7月16日、映画「抓娃娃」(Zhua Wa Wa)が全国封切りとなった。先行上映から3日間の興行収入は前売り分も含めて5.16億元(約112億円)となり、すでに1236.7万人が鑑賞している。映画興行アプリ「灯塔専業版」によると、主演女優のマー・リーがこの人気を受け、中国の映画女優として初めて興収が200億元(約4358億円)の大台を超えた。

女優マー・リー

「抓娃娃」は上映後、大手SNSサービス「豆瓣」(Douban)でたちまち7.5点という高スコアをマークした。採点を下した7万人以上の中で、5つ星評価が21.7%、4つ星評価が41.3%を占め、作品を高く評価している様子がうかがえる。興収について灯塔専業版は、およそ29-32億元(約632億-697億円)となると見ており、業界内では夏休み枠の各作品でトップとなるとの見方が強い。

「抓娃娃」は、イェン・フェイ氏とポン・ダーモオ氏が監督を務め、この2人と林炳宝氏が脚本を担当し、「シャールオの特別な悩み」、「月で始まるソロライフ」に次いで同じくシェン・タンとマー・リーのコンビがメインキャストを務めるコメディ映画である。

2015年上映の「シャールオの特別な悩み」は興収14.47億元(約315億円)を記録し、「シェン+マー」のコンビが深く印象付けられたが、その後2人の共演はしばらくなかった。2022年の夏休み枠「月で始まるソロライフ」でともにメインキャストを務めたが、マー・リーの出番は多くはなかった。ただしそれでも興収31.03億元(約676億円)で、夏休み枠トップとなった。

「抓娃娃」の初上映では、作家でカーレーサー、映画監督である韓寒氏も現場に駆け付け、「史上空前の笑いが取れる映画だ。10年前の『シャールオの特別な悩み』から今回の『抓娃娃』まで、どれもが『最高のすぐれものだ』」と語った。

「抓娃娃」は、金持ちの家族が貧乏を装って跡継ぎを育てる物語である。裕福な家庭の夫婦である馬成鋼(シェン・タン 演)と妻の春蘭(マー・リー 演)は、息子の馬継業(シー・ポンユァン演、少年時代は肖帛辰演)を貧しさに耐え、粘り強い心を持つ人間に育てようと、物心つく前に一文無しの状態での貧乏暮らしを始めた上、寝たきりになっている祖母(サリナ演)の介護をした。

辛酸をなめているように見える夫婦だが、それは単に子どもの前でのみ演じる姿であって、実際には息子を抱えながら贅沢三昧の上等な生活を送っていた。息子の方も、このような「スパイ式」の育て方にめげず、品行方正で実直かつ優秀な子どもになってゆく。しかし、祖母が亡くなると生活が180度一変し、ひとりぽっちだった彼は何一つ不自由ない世間知らずのぼんぼんになる。本人も周りのクラスメートや仲間たちものほほんとした状態になってしまい、こうした中で思わず吹き出すような出来事が次々と発生していく。

(中国経済新聞)