中国映画界、2024年夏休み枠の興収が660億円に

2024/07/11 07:30

中国の映画興行データ分析アプリ「猫眼専業版」によると、2024年の夏休み枠 (6月1日-8月31日)について、7月7日19時28分の時点で興行収入が30億元(約664億円)を超えた。作品別に見ると、上位3位は「雲辺有個小売部」(Moments We Shared)、「黙殺」、「インサイド・ヘッド2」である。

「雲辺有個小売部」は張嘉佳の同名小説をモチーフにしたもので、作者自らが脚本および監督を務め、メインキャストはポン・ユーチャン、ジョウ・イエで、アイ・リーヤー、チェン・シェンエンらも出演し、中国本土では2024年6月22日に封切りされた。都会で我を失ってしまった普通の若者である劉十三(ポン・ユーチャン演)が、祖母(アイ・リーヤー演)に連れられて故郷である雲間の小さな村に戻り、幼なじみの程霜(ジョウ・イエ演)と祖母に付き添われて穏やかな時を過ごす。先祖代々伝わる足跡に沿い、村の息吹に耳を傾け、雲に手が届く小さな店、高い山と海のはざま、庭のモクセイのもとで、呆然としていた過去を次第に忘れてゆく。心に刻まれながら数年経たず忘れられる人もいれば、生死を問わずそばにいてくれる人もいるのだ。

「黙殺」は監督が柯汶利氏、脚本が陳昱俐氏で、ホァン・ジェンウェイ、アイビー・イン、チャン・シー、リアオ・チェンイーなどが出演する。長年いじめを受けていた女子中学生の恵君(シュー・チャオ演)が転落死、しかし暴力は収まるどころか親友の小彤(ワン・ションディー演)にも襲い掛かる。ところが悪玉の方も大打撃を受けて相次ぎ命を落とす。連続殺人事件の背後で、疑わしき人間が次々と浮かび上がる。小彤の母(チャン・チュンニン演)は、口を糊付けされた娘を見たが沈黙を続け、用務員の林在福(ワン・チュアンジュン演)は事情を知るように見えるが冷たく遠ざかり、のぞき見していた謎の男・呉望(ジャスティン演)は危機に瀕したようだが笑顔を浮かべる。悪玉を殺害した恐ろしき人物は果たしてこの中の誰か。調査に当たった刑事の戴国棟(フランシス・ン演)は、キツネにつままれたようであったが、調べていくうちに数々の秘密が暴かれ、だれもが矢面に立たされてしまう。

「インサイド・ヘッド2」はアメリカ映画で、「インサイド・ヘッド」の続編としてピクサーアニメーションスタジオとウォルトディズニーピクチャーが制作したファンタジーアニメである。前作のヒロインのライリー・アンダーセンの新たな気持ちの変化を引き続き描き、思春期を迎えて新旧の感情のぶつかり、溶け合い、理解、協力、心の成長をたどるものである。

(中国経済新聞)