BYD会長「タイは間もなく新エネ車の成長期に突入」

2024/07/9 17:30

中国のEV大手「BYD」の王伝福会長は7月4日、タイで行われた東南アジアで同社初となる工場の竣工式で、「タイは今、新エネ車の普及率が12%となった。経験的に言って新エネ車の割合10%は転換点であり、これを超えた後は飛躍的に伸びていく。タイの新エネ車産業は本格的な成長期を迎える」と述べた。

Autolifeが発表したタイの年間自動車販売データによると、2023年のEVの販売台数は、去年より6.66万台、率にして684%増えて7.63万台以上となり、全販売台数に占める割合は12%となった。

王会長は、「2022 年にタイに進出し、今は新エネ車販売分に占める割合がおよそ41%となり、新車販売ではほぼ3台の1台がBYD車である。BYDはタイで、2023 年 1 月以降18 か月連続で新エネ車販売トップを維持している」と述べた。

タイでは最近、BYD、広汽埃安(AION)、哪吒汽車など中国の新エネ車メーカーが続々と工場を構えており、BYDは2022年に350 億タイバーツ(日本円約1538億円)をかけて東南アジア初のEV工場を建設した。年間生産台数は約 15 万台で、東南アジアの拠点とした上でASEAN各国やそれ以外の国へも波及させていくという。王会長は、「プラグインハイブリッド車もタイに導入する予定だ。現地での研究開発を進めてラインナップを豊富にし、利用者のニーズに応える」と述べている。

タイはしかし、現在11か月連続で自動車の販売台数が減っている。これについて、タイ自動車部門局の主席顧問であるSurapong Paisitpatanapong氏は、金融機関がカーローンの審査を厳格化したことと、2024年の政府予算編成が遅れて経済成長が減速していることを理由に挙げている。

しかしEVの販売数は緩やかに上昇している。2024年5月は約5474台で、うちBYDの「ドルフィン」は2倍増だった。2024年1~5月で見ると、BYDの「ドルフィン」と「シール」が新エネ車部門で1、2位を占め、市場占有率は32%以上となっている。

また一方、広汽埃安、深藍汽車、哪吒汽車などもタイはEVの需要が十分に見込めると判断し、次々と車を投入している。

なおタイは、新エネ車購入時に支給する補助金額を減額している。2024~2027年は、1台あたりの支給額が最高で10万タイバーツ(約44万円)となっている。

(中国経済新聞)