湖北省、「カーリース方式」で公用車改革を実施 「維持費などが3分の1削減」と専門家

2024/07/5 08:30

湖北省鄂州市は公用車について、対象数限定で新エネ車をカーリースするという新たな取り組みを始めた。年間運営費用が3分の1削減されるという。

鄂州市の政府庁舎前広場でこのほど、「下取りの後押しは鄂州から、新エネ車の普及利用も鄂州から」とのスローガンを掲げた新エネ車のリースカー納車式が行われた。「カーリース方式」による公用車の改革は湖北省内では初めてとなる。

初回納車分は、嵐図汽車の「追光」、東風の「風神」など、いずれも東風系の計150台で、平均航続距離は580キロメートルという。鄂州市の邱実副市長は、「定められた数量分について新エネ車をリースにより導入する形を取り入れる。新エネ車の利用拡大に力を入れ、今年は公用車の運営関連の経費を251万元(約5586万円)削減する」と述べている。

新エネ車やスマートコネクテッドカーの重要な産業拠点である湖北省は今年第1四半期、新エネ車の生産量増加率が109%で、中国全体の平均を81ポイントも上回った。

中国はこのところ、各地方政府が公用車として新エネ車の導入を進めており、リース融資やカーリースといった形でひっ迫している財政への対応をはかっている。

山東省煙台市は公用車786台を新エネ車としており、公用車全体における新エネ車の占める割合を徐々に引き上げている。また安徽省合肥市は公用車について、送電網の電力負荷が少ない時間帯に充電し、多い時間帯に送電する形を導入して、電力代を節約した上に公共電力のひっ迫を緩和させている。さらに四川省巴中市は、近場で待ち時間の短い公務外出について、時間や距離に応じた費用計算をし、車の購入費や維持費などを年に320万元(約7122万円)余り節約している。

公用車改革に詳しい葉青氏は、「新車を100台購入した場合、1台平均15万元(約334万円)とすれば1500万元(約3.34億円)の出費が必要である上、毎年走行時の費用も支払う。これがリースとなれば購入代がカットされ、それにより浮いた保険料や維持費でリース代を賄える。10年経って廃棄や買い替えをするまでもなく3年後の契約更新で新車に交換すればよい。こうして考えれば、カーリースの導入は運営費や維持費を3分の1ほど削減し、財政負担を大幅に軽減できるものだ」と述べている。

(中国経済新聞)